(2003.08.01)
1ページ目 【アメリカの州は「独立国家」】
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【アメリカの州は「独立国家」】
州によって交通法規も税制も違う
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アメリカの「州」を、日本の都道府県と同じように思ってはいけません。アメリカの「州」は、独立国家なのです。
アメリカの各州は独自の「法律」をつくることができます。たとえばユタ州では、アルコール度の高いカクテルをレストランやホテルで販売することができない法律があります。
また、全米50州のうち、24州でギャンブルを合法化する法律が、26州でギャンブルを禁止する法律が制定されています。州境を一歩またげば、ギャンブルをして犯罪になったりならなかったりするわけです。
交通法規も、州によってさまざまです。赤信号でもつねに右折OKの州もあれば、そうでない州もあり、なかなかややこしいです。銀行の免許や弁護士資格も州ごと。
当然、税制も州によって異なります。日本で消費税に当たる売上税もまちまち。7%もの売上税を課す州もあれば、売上税のような制度がない州も。たばこ税も、150%という高い税率の州もあれば、わずか1.4%の州までありまったくまちまちです。
マリファナの使用でさえ、それを合法か違法か決めるのは州です。カリフォルニア州やアラスカ州では、マリファナの使用は合法化されています。
そして州は、法律ばかりでなく、独自の憲法も持っています。国民の権利義務などの多くは合衆国憲法ではなく州憲法の方で規定され、頻繁に修正されています。州は合衆国とは違う独自の軍隊すらもっています(州兵)。
なぜこのように州がアメリカでは大きな権限をもっているのでしょう。それは、アメリカ建国までの歴史に由来があるようです。