社会ニュース/よくわかる時事問題

「食品値上げ」の裏に、意外な原因(2ページ目)

マヨネーズにハムなど、食品の値上げが庶民の食卓を直撃! 中でも目立つのが、パンや麺類の価格を押し上げる小麦価格の高騰です。その裏にある原因とはいったい何? コンビニも、追随値上げに走る?

執筆者:志田 玲子

小麦価格が高騰したわけ・その1(国際要因)

画像の代替テキスト
食パンだけじゃない! 大手メーカーが発表した値上げは、菓子パン・菓子も含め、なんと500品目!
写真提供:フリー画像素材EyesPic
パン業界では、最大手の山崎製パンが500品目もの値上げを発表したことで、他のメーカーも追随しそうな雲行きです。その原材料となる小麦の価格高騰の背景に、2つの要因を発見!

1つ目は、世界的な小麦相場の高騰。1ページで見た「バイオ燃料」ブームの影響で、小麦生産農家が「トウモロコシをつくった方が儲かる!」と、次々とトウモロコシ生産へ鞍替え! 小麦生産量が減少する一方で、成長著しい中国・インドなどを中心に、需要は拡大傾向にあります。つまり、経済成長→食生活の欧米化により、需要が増えた(小麦製品を食べる人が増えた)のに対し、供給が減った(小麦をつくる人が減った)ため、価格がつり上がったというわけ!

小麦価格が高騰したわけ・その2(国内要因)

2つ目の要因は、国内で小麦価格を決める仕組みが変わったこと。今年4月、国は、製粉会社が購入する外国産小麦の政府売り渡し価格を、それまでの年間固定制から価格変動制へと変更。その結果、原料小麦の約9割を占める外国産小麦の価格が上昇(平均1.3%)! 原料の9割=ほぼ全部を占める外国産小麦が値上がりしている以上、1ページで見たように、パンや麺類の価格が上がるのも、やむを得ない? おまけに、政府売渡価格は、国際相場の高騰を反映して、今年10月にまた10%アップ! 値上げは今後も続く?
※ 参考資料:Interview「2007年の経営者」青崎済日本製粉社長、週刊エコノミスト2007年9月11日号。

さて、小麦価格が高騰した背景には、2つの要因があることがわかったところで、気になるのが「コンビニも値上げに走る?」 そこで、大手各社の動向を探ってみると…… → 次のページへ
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