どうなる?新テロ特措法の成立、そして今後の給油
テロ特措法と海上給油についてまとめた書籍『テロ特措法』 |
もともと安倍内閣の時は、以前のテロ特措法を延長しようとしていました。それが安倍総理の辞任で廃案になってしまい、福田内閣になったら新テロ特措法案という形で再提出されることになったのです。
そしてこの新テロ特措法の成立見通しですが、今のところは決して高くありません。というのも、7月の参院選で自民党は大敗してしまい、参議院は民主党が第1党になっているからです。このまま提出しても、衆議院では可決できても、参議院で否決されてしまいます。
その場合は、衆議院での再議決を行い、3分の2以上の賛成が必要になります。現在衆議院は480議席の中で、自民党が306議席、公明党が31議席となり連立を組んでいます。3分の2以上の賛成を得るためには、公明党が協力しないといけません。しかし、公明党は今回の再議決には否定的な見方をしています。それらの要素を考えると、新テロ特措法の成立までは非常に険しい道のりが待っているでしょう。
アメリカと公明党の板ばさみになる福田・自民党
新テロ特措法は自民党が成立を目指していますが、結局のところそう持っていこうとしているのはアメリカです。アメリカ政府は日本からの給油が欲しいから、自民党に圧力をかけて法案を成立させようとしています。その一方で、国内では民主党が新テロ特措法に反対し、公明党も再議決には賛成していません。国内では手放しで新テロ特措法の成立を目指しているのは、自民党だけです。公明党が反対しているのは、再議決を目指すと解散・総選挙に持ち込まれる可能性があることを懸念しているからです。現在の状況で総選挙をやっても、与党にはまだ不利な状況であると見ているのです。
では福田総理はどうしたらいいのか?これは、福田総理が自分で悩んで努力して解決していく他はないでしょう。現実問題として、今の日本にアメリカに給油をしてもメリットはあまりありません。「国際協力」という名分はあっても、日本の国益にはあまりならないのです。それらを考えると、国内に新テロ特措法に賛成する勢力があまりないのも、当然であると思われます。
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