テロ特措法、つまりテロ対策特別措置法 の延長問題がここ数ヶ月国会でくすぶっていました。そして福田政権に変わったら、自民党は新テロ特措法案を提出する意向を固めています。「給油新法」とも呼ばれるこの新テロ特措法は、前のものとは何が違うのでしょうか?

【CONTENTS】
インド洋上の給油活動だけに特化した新テロ特措法(1P目)
インド洋上の給油。何のために続けるのか?(1P目)
どうなる?新テロ特措法の成立、そして今後の給油(2P目)
アメリカと公明党の板ばさみになる福田・自民党(2P目)

インド洋上の給油活動だけに特化した新テロ特措法

もともとテロ特措法というのは、2001年のアメリカ同時テロ発生を受けて、自衛隊によってテロ撲滅のために他国の軍隊が取る行動を後方支援したり、被災地で支援活動を行うために成立した法案です。

そしてテロ特措法に基づいて行われてきた活動の中でも、特に大規模だったのが、インド洋上において、アメリカ海軍の艦船などに対して海上自衛隊が行ってきた給油活動でした。この給油活動については、後で詳しくお話します。

今回与党がまとめた新テロ特措法案というのは、テロ特措法の活動の中でも、この給油活動だけに内容を絞って、それを可能にするためにまとめられた法案です。給油活動だけの法案なので、「給油新法」とも呼ばれています。

なおこの新テロ特別措法案の正式名称は、「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案」(略称:補給支援活動特措法案)と言います。

インド洋上の給油。何のために続けるのか?

インド洋の地図
海上自衛隊が給油を続けてきたインド洋海域。正確な給油地点は明らかにされていない。
インド洋上の給油というのは、インド洋を航海中のアメリカ、イギリス、フランスなどの艦船に対して、日本の海上自衛隊が補給活動として燃料油を提供してきたことです。これはテロ特措法に基づいて、これまで700回以上、40万キロリットル以上、金額にして150億円以上の給油を行ってきました。

ところがこの給油活動の最大の問題点は、給油したアメリカ、イギリスなどの艦船が、どのような活動をしているのか明確にされていない点です。本来テロ特措法は「テロの活動を防止するために」他国の軍隊を後方支援する、という目的を持つものでした。ところが、給油をしたアメリカ、イギリスなどの艦船が何をしているのか明確ではないので、それらがイラク戦争などに行っている可能性も少なからずあります。

そして、その給油を今後も続けようとしている理由は、まずアメリカからの要請があること。そして、福田総理を始めとする与党は、その継続に賛成していることがあります。それに対して野党の民主党は、給油継続と新テロ特措法の成立に反対しています。

→次ページ。では、新テロ特措法の成立の見通しはどんなものでしょうか?