金融政策の決定機関―FOMC(連邦公開市場委員会)
FRBの機能の中でも最も大事なものが、FOMC(連邦公開市場委員会)です。これは日本でいうと、日銀の金融政策決定会合に当たる、金融政策を決める意志決定機関です。ここで決められるのは、アメリカの政策金利である、公定歩合とFF金利です。開催は年8回が定期会合ですが、緊急事態が起こると不定期にも召集されます。FOMCは毎年8回定期会合がある。 |
FOMCで議決権を持っているのは12人で、まずはFRB(連邦準備制度理事会)の7人の理事。それから12地区ある連銀には12人の総裁がいますが、その中から5人が選ばれて議決権を与えられます。議決権を与えられるのは、ニューヨーク連銀の総裁と、ローテーションで選ばれるその他4人の総裁です。
ところでFOMCの終了後には、金利の上げ下げが発表されるのですが、それよりももっと世界の経済・金融界の人々が注目しているものがあります。それは、金利と一緒に発表される声明文です。声明文では、FOMCの参加者12人による、現在や将来のアメリカ経済の見通しが語られます。
この声明文によって、次回以降の会合における金融政策の動向を予想するのです。例えば「インフレを懸念している」と書かれていれば、「ああ、インフレを懸念しているなら、次回は利上げかな?」と予想できます。また「景気が減速しているように見える」と言っているなら、「景気が後退しているなら、景気刺激のために次回は金融緩和で利下げだろうな」と読めます。
世の中に流通するお金の量を調節―公開市場操作
FOMC以外にもFRBの仕事はいろいろありますが、その中の1つが公開市場操作です。これは日銀がやっているものと同じで、中央銀行が多額のお金を使って有価証券や手形などを売買することによって、世の中に流通しているお金の量を調節する業務です。中央銀行が各種銀行に有価証券などを売ってお金を吸い取ることを「売りオペレーション(売りオペ)と呼び、反対に各種銀行から有価証券などを買ってお金を供給することを「買いオペレーション(買いオペ)」と呼びます。有価証券類を売って資金を吸収し、市場に流通するお金の量を減らすのが売りオペ。 |
8月の世界同時株安時に「ECBが市場に3100億ユーロを供給」ののようなニュースが何回も流れましたが、中央銀行が資金を供給するというのは、この買いオペを行ったことを意味します。何らかの要因で金融市場に出回るお金の量が不足するであろうと判断した場合に、買いオペを行うのです。
有価証券類を購入して資金を供給し、市場に流通するお金の量を増やすのが買いオペ。 |
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