UFJって大手だったんじゃないの?
●そもそもキッカケは何?
UFJホールディングスはもともと不良債権残高が多かったのです。
大手銀行までもがヘルプを出すなんて! |
みなさんの家計に置き換えて考えてみてください。100万円を人に貸しているとして、利子が払えないとか、元本が返せませんといわれたお金が85,000円ある、となったらどう思いますか?
双日ホールディングス(ニチメン+日商岩井)、ダイエー、大京、国際興業、ミサワホームなど巨額の貸付の滞りが、不良債権としてUFJに重くのしかかっているのです。
●6月に異例の業務改善命令
UFJ銀行に対して金融庁が4つの業務改善命令を出しました。
複数の業務改善命令が銀行に出されるのは異例なことです。
何が問題だったかというと・・・
・公的資金投入行に義務づけられた経営健全化計画の収益目標を下回ったこと
・意図的に検査を避ける「検査忌避」があった
などで、そのためにUFJ銀行は、収益回復策などを盛り込んだ改善計画を提出して、金融庁の定期的なチェックを受けることになりました。
そうなると、UFJホールディングスの株価も安くなります。
買収しようと思っている外資があったとすれば、日本の大手銀行を安く買うチャンスが来たとも言えるわけです。
すると、規模を拡大しようと思っていた三菱東京フィナンシャル・グループも黙っちゃいられません。外資系にオイシイところをさらわれてしまう心配もあって名乗りをあげたともいわれています。
そこまで落ち込んだUFJと合併して、三菱東京にメリットはあるの?
三菱東京の目論見とは? |
《地域の補完性》
東京三菱銀行は首都圏に店舗が多く、UFJ銀行は東海、関西にも満遍なく店舗網が広がっています。合併によって、広く全国を網羅出来ることになります。
現在の、両行の3大都市圏での店舗網は以下の通りです。
関東 | 東海 | 関西 | 全国計 | |
東京三菱銀行 | 182 | 5 | 32 | 232 | UFJ銀行 | 153 | 123 | 136 | 422 |
強み | 弱み | |
三菱東京フィナンシャル・グループ | 大企業・富裕層の取引、財務面の強さ | 収益力の弱さ |
UFJホールディグス | 個人営業 | 4兆円の不良債権残高 |
ただし、この特徴の違いはデメリットにもなりかねないと思われます。
では、その問題点について次のページで見ていきましょう。