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目を背けますか?!世界の戦争・紛争(2ページ目)

60年間戦争を経験していない平和な日本。銃で誰かが殺されなくて当然、家を追われ難民にならなくても当然。でも、それが当然でない人たちも世界には大勢います。毎日「死の恐怖」と闘う生活が想像できますか?

執筆者:鳥羽 賢

停戦50年以上の朝鮮戦争

朝鮮半島の地図
朝鮮戦争は半島を2分した戦いだった。
お隣の朝鮮半島で1950~53年に起こった朝鮮戦争ですが、こちらは終結したわけではなく、正式には1953年以来いまだに停戦中です。そのために、北朝鮮も韓国も男子には兵役を課して、一定期間軍隊で訓練を受けることが義務付けられています。

今のところは戦争が再開する気配はないのですが、危ないとしたら金正日(キム・ジョンイル)の死後が考えられるでしょう。現在金正日はすでに65歳になっていて、健康不安説もかなり広がっています。実際のところ、ある日突然倒れてしまう可能性も少なからずある年齢でしょう。

またあと10年もすれば、確実に金正日の健康状態は悪化しています。いずれは後継者を選ばなくてはいけないのですが、それがすんなり行くとは限りません。現在のところ金正日には、金正男(キム・ジョンナム)、金正哲(キム・ジョンチル)、金正雲(キム・ジョンウン)、と3人の息子がいます。この3人の間で争いが起こる可能性もありますし、国内の他の誰かとの間で争いが起こって混乱が生じるかもしれません。

そうなった場合に、その混乱を打開するために、韓国に対して戦争を仕掛けるなどという可能性もなくはありません。今は実際の戦争は停止中でも、金正日の死期が近づいてくるにしたがって、注意をする必要があります。

ハマス孤立化が深まるパレスチナ問題

パレスチナの地図
緑色の部分がパレスチナ自治区。左がハマス制圧のガザ。
パレスチナでは、6月にハマスがガザを占領するという大きな動きがありました。その後はしばらく緊張状態が続いていましたが、現在では多少落ち着いています。ハマスによるガザ占領までの経緯はこちらにまとめてあります。

現在のところまでで見ると、ハマスはガザを占領したことで自分で自分の首を絞めたことになっているように思われます。というのも、結果的にハマスの孤立化が占領以来深まっているからです。

占領前はハマスはパレスチナ自治区内で選挙で勝って政権を取っていたので、イスラエルや周囲も認めざるを得ない状況でした。ハマスに抗議するために、イスラエルは自治区内で代行徴収した税金をハマス政府への引渡しを拒否していました。

それがハマスが自治政府から抜けたことで一転、穏健派のファタハが残ったので、イスラエルは税金の引渡しを開始し、アメリカなど国際社会も現在の自治政府に友好的になっています。結果的には、ハマスが抜けたことで、イスラエルと自治政府との間で和平交渉が再開しやすい状況になりました。ハマスはいたずらに自分で孤立を深めさせてしまったのです。

→次ページは、カシミール紛争とイランの核開発問題についてです。
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