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光化学スモッグに黄砂、日本の空が危ない?!(2ページ目)

夏が近づき、九州を中心に相次ぐ光化学スモッグ注意報が気になる季節。一方、中国大陸から飛来する黄砂も、全国各地で観測されています。こうした光化学スモッグや黄砂の発生原因は何? 人体にどんな悪影響がある?

執筆者:志田 玲子

スモッグの主因は中国の大気汚染?! 発生時の対応策は?

画像の代替テキスト
粘りがある黄砂粒子は、車につくと落とすのに一苦労。大切な愛車にはちゃんとカバーを!
写真提供:フリー画像素材EyesPic
福岡県は5月末、「県内の光化学スモッグの主因は、中国大陸から流れてきた汚染物質である可能性が高い!」と発表。同県保健環境研究所の分析によると、
■汚染物質の排出が少なく日照のない深夜に、高濃度の光化学オキシダント(オゾンなどの二次的汚染物質)が発生。
■大気が白くかすむ要因となる硫酸塩が、国内の発生源では考えられない高濃度を示した。
■注意報が出された日は、大陸から九州北部に気流が流れ込みやすい気圧配置だった。

つまり、経済成長著しい中国の大気汚染が気流に乗って日本へ運ばれ、スモッグを発生させた可能性が高いということ。だから、1ページで見たように、知事たちは、国に国際的な対応を求めざるを得なかった!

では、光化学スモッグが発生すると人体にどんな影響が出る? 症状としては、目がチカチカしたりのどが痛くなったりする他、めまい・吐き気・頭痛・しびれなどの急性症状が現れる場合もあります。発生時の対応策としては、
■注意報が出たら、外出を控える。
■目やのどに症状が出たら、屋内に入って目を洗いうがいをする。
■気分が悪い時は、涼しい場所で安静にする。
いずれにしても、炎天下に長時間居続けることは避けた方が無難……。

中国の強烈な「春一番」が、人間の呼吸器を蝕む?!

一方、黄砂が発生する原因は? 黄砂は、地表の土壌粒子が強風で大気中に舞い上がることで発生し、粒子が舞い上がる条件さえそろえば、どこでも発生する可能性があります。実際、アジア大陸の広い地域で観測されますが、3~5月に多く見られるのは、中国北西部~北部の乾燥地域を通過する強風現象が、この季節に集中するから。中国の「春一番」は、日本以上に強烈?

では、黄砂も健康に悪影響がある? 環境省の「黄砂問題検討会」報告書(2005年)によると、1995~98年に韓国・ソウルで行われた調査では、黄砂現象期間中に呼吸器系・循環器系の病気で入院した患者数(65歳以上)が、それ以外の期間に比べそれぞれ7.8%、3.7%増! つまり、黄砂が人間の呼吸器系統などに何らかの悪影響を与えている可能性がある?! 一方、国内では黄砂の実態は充分に解明されておらず、環境省の「黄砂実態解明調査」の結果が気になるところ……。

最後に、ガイドから「光化学スモッグ」に関する耳寄り情報!
■6月11日から気象庁は、東京・埼玉・千葉・神奈川の4都県を対象に、注意が必要な地域や時間帯を絞ったスモッグ情報をホームページで提供する予定。

【記事の関連サイト】
●All About「よくわかる時事問題」のサイト
世の悲しみ・恐怖のニュース
自然災害・異常気象のニュース
今さら聞けない時事用語集

●その他のサイト
6月11日から南関東4都県の光化学スモッグ情報の提供開始、気象庁
光化学スモッグ発生のメカニズム、東京都環境局
黄砂現象とは、気象庁


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