【CONTENTS】
■1ページ…… 「団塊の世代」の大量退職で、日本企業の技術力はどうなる?
■2ページ…… 「団塊くん」はどんな時代を生きてきた? 他の世代とどこが違うの?
「団塊の世代」の出生率、最大でなんと4.54!
※ 合計特殊出生率とは、1人の女性が一生の間に産む子供の数。 厚生労働省統計資料、人口動態統計特殊報告「平成17年度『出生に関する統計』の概況」、「平成17年人口動態統計月報年計(概数)の概況」より作成 |
「団塊の世代」とは、戦後直後の第1次ベビーブーム期=1947年~49年に生まれた世代。作家の堺屋太一氏が76年に出版した小説のタイトルに由来します。「団塊」とはもともと、「硬い塊」という意味。同一性が強いとされる集団には、まさにぴったりの表現ですね。そして、その総数は約680万人。前後の世代である44~46年生まれ(464万人)や50~52年生まれ(591万人)の数を、大きく上回っています。
さらに、現代と比べると、そのボリュームがいかに大きいかが一目瞭然! 上の表を見ると、「団塊の世代」の年間出生数は2005年の2.5倍以上、出生率ではなんと、4倍近くに達しています(緑色部分)。まさに「産めよ、増やせよ」の時代の「落とし子」! ちなみに、「団塊の世代」が結婚・出産の適齢期を迎えた第2次ベビーブーム期(71年~74年)に生まれたのが「団塊ジュニア」。共に、数の多さから社会全体に与える影響が大きいため、その動向は、常に世の注目の的となっています。
「団塊の世代」の大量退職が招く「2007年問題」とは?
ところで、最近よく耳にする「2007年問題」とはどんな問題? 「団塊の世代」とどう関わるの? 「団塊の世代」のトップランナー=47年生まれが60歳定年を迎えた今年から2009年にかけ、280万人以上が定年退職期を迎えます。こうした大量退職により、企業には労働力不足や退職金の支払い増加といったさまざまな問題が発生しますが、中でも特に心配されているのが技術継承の問題。ベテラン社員がもつ熟練技術・ノウハウが、若手社員に十分に継承されないまま退職に至れば、企業全体の技術力が低下し、その競争力にも悪影響が及びかねません。このような「2007年問題」に備え、産業界は雇用延長の取り組みを開始。昨年4月には「改正高年齢者雇用安定法」により、定年の廃止または65歳への引き上げ、継続雇用制度導入のいずれかの実施が義務づけられました。法律の義務づけで、果たして技術継承の危機は乗り切れる?
ところで、「団塊の世代」はこれまでどんな時代を生きてきたの? その特徴は? 他の世代とどんな点が違うの? そこで、「団塊の世代」の足跡を辿りながらその実像に迫ってみると…… → 次のページへ