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ATMに異変!10万円超は振込めない?!(2ページ目)

現金の出し入れや振込に便利な銀行などのATM。ところが、そのATMに大異変! 来年から、10万円超の現金が、振り込めなくなってしまうのです! では、10万円超の振込はどうすればいいの? 実は……

執筆者:志田 玲子

10万円超の現金振込は、本人確認が必要に!

画像の代替テキスト
来年から、ATMを使って現金を振り込む場合の上限は10万円までに。もちろん、10万円ちょうどの振込はOK。
写真提供:フリー画像素材EyesPic
金融庁の法令改正により2007年1月4日以降、顧客が1回につき10万円を超える現金を振り込む場合、金融機関には本人確認を行うことが義務づけられます。
その目的は、マネー・ローンダリング(※)やテロ活動への資金流出を防ぐこと。
※ 資金洗浄。犯罪などで得た「汚れたお金」を、正当な取引による「きれいなお金」であるかのように、その出所を偽装すること。

たとえば、「振り込め詐欺」の場合、犯人がだまし取ったお金をいくつもの口座を通じて転々と移動させ、出所をわからなくするようなケースが多く見られます。また、こうした犯罪資金は、国境を越えて移動することも多いため、「汚れたお金」に対する取締り強化は、今や国際的な要請。
グローバル化の時代、日本も「蚊帳の外」では済まない!というわけですね。

ATMを使った振込、ここがチェック・ポイント!

さて、こうした制度変更により、銀行など金融機関のATMでは、1月4日以降、10万円を超える現金の振込ができなくなります。
ただし、ここを要チェック!
■現金20万円を相手の口座へ振り込む…… ATMでは振り込めません→ 本人確認書類を持参の上、窓口へ。
■自分の口座にある20万円を相手の口座へ振り込む…… 今まで通りATMで振り込めます。

つまり、ATMで10万円超の振込ができなくなるのは、あくまで「現金」で振込をする場合。「現金」ではなく、キャッシュカードを使って自分の「口座」から相手の口座へ振込む場合は、これまで同様、10万円超でもATM(または窓口)で振込めます(口座開設時に本人確認が済んでいない場合は、確認書類の提示がないと振込ができない場合もあります)。

ちなみに、本人確認に必要な確認書類とは……
■個人…… 運転免許証・健康保険証・パスポート・国民年金手帳・外国人登録証明書など
■法人…… 登記事項証明書など

平日の限られた時間帯しか利用できない窓口に比べ、格段に便利なATM。ただ最近は、顧客の「利便性」を多少犠牲にしてでも、1ページで見たようなセキュリティ対策や犯罪対策を優先する方向へ……。
「利便性」と「安全」は、「あちらを立てればこちらが立たず」と、両立が難しい関係にあるようですね。

【記事の関連サイト】
本人確認手続について
三菱東京UFJ銀行、1日あたりのご利用限度額の変更について
三井住友銀行、「ATMでのキャッシュカードご利用限度額」改定のお知らせ
みずほ銀行、キャッシュカードの1日あたりのATMご利用限度額


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