国内では36年ぶり、「狂犬病」で60代男性が死亡!
風邪を引いたのかな……と思っていたら、実は、「死の病」に冒されていた! |
ただ、これらは海外で感染したケース。国内での感染は、ヒトは55年、動物は58年以降、発生していません。
さて、この男性はどんな経過で死に至ったのでしょう?
■2006年8月末…… フィリピンに渡航中、犬に手を咬まれた!
■11月1日…… 日本へ帰国。
■9日…… 風邪のような症状が出たのでA病院で受診。
■12日…… 水が飲みにくいなどの症状により、B病院で受診。脱水症状が認められ、点滴を受けて帰宅。
■13日…… 幻覚症状が出たため再度B病院で受診。水を飲もうとするとのどがけいれんする「恐水症状」や、冷たい風に怯える「恐風症状」が確認され、入院。
■14日…… 人工心肺(心臓と肺の機能を代行する装置)で処置。
■16日…… 担当医師が「狂犬病」と診断。
■17日…… 死亡。
症状が出てからわずか1週間程度で死亡していますね。気がついた時には、手遅れになる可能性が高い?
世界の「狂犬病」死亡者数、年間でなんと5.5万人!
36年ぶりに死者発生!という衝撃もさめやらぬうち、また別の60代男性が発症! その経過は……■今年8月頃…… フィリピンに滞在中、犬に手を咬まれた!
■10月22日…… 横浜市に一時帰国。
■11月15日…… 風邪のような症状と共に、右肩に痛みが出る。
■19日…… C病院を受診し、点滴・血液検査を受けて帰宅。夕方以降、飲水困難・呼吸困難が発生。
■20日…… 同病院で再受診。興奮状態になり、恐風・恐水症状から「狂犬病」の疑いがあるとD病院へ転院。
■22日…… 「狂犬病」と診断され、人工呼吸器を装着。
今度も、フィリピンで犬に咬まれ、3ヶ月ほど経ってから風邪のような症状が出て、やがて恐風・恐水症状を起こしと、京都市の例と非常によく似ていますね。フィリピンには「狂犬病」に感染した犬が多い?!
実は、世界を見渡すと、「狂犬病」による死者(2004年推計)は、アジア・アフリカを中心に年間5.5万人にも上るのです。ちなみに、フィリピンの死者数は248人、犬の感染発生数は1,546頭(2004年)。日本に比べ、かなり危険度が高いと言えそうですね。
ところで、「狂犬病」とは一体、どんな伝染病なの? ヒトからヒトへも感染する? 死亡率はどのくらい? 日本の対策は大丈夫? → 次のページへ