【「連合王国」は解体するのか?】
民族意識高まるスコットランド・ウェールズ、イングランドは?


前ページで述べたような歴史でイングランドに「併合」されてしまった形のスコットランドとウェールズですから、やはり独立を求める声がやむことはありませんでした。

しかし、イングランドで史上初の「産業革命」がおこると、イングランド経済への依存が進み、独立を叫ぶ声はそれほど大きくはなりませんでした。

しかし20世紀になってイングランドの経済力が低下、それとともにふたたび両国の「独立運動」はさかんになってきました。

特に1970年代、スコットランド沖の北海油田が開発されるようになると、「これを利用できればイングランドに依存しなくてもやっていける」ということで、スコットランドの独立気運は急速に高まってきています。

1997年発足以降、数々の改革をすすめるブレア政権はスコットランドとウェールズにも独自議会をつくることを認め、住民投票の結果、1999年に両地域に自治議会が設置され、選挙が行われています。

EU(ヨーロッパ連合)のもと、通貨が「ユーロ」に統一されるなどヨーロッパの経済統合はますます加速しているのに、ベルギーが二重国家状態になったり、スコットランドやウェールズが独立の動きを見せるなど、政治のレベルではむしろ「分散」のながれがヨーロッパで広がりを見せてきています。

この流れをかんたんに分析することはむずかしいのですが、ヨーロッパの経済的な国境がなくなりつつあるなかで、あえて政治が国単位に集約される必要がなくなってきた、ということがあるのかもしれません。同じような問題を抱えるほかの西ヨーロッパ諸国でも今後、同じようなことが起きるかもしれません。

ところで「イングランド人」の「イングランド人」としての民族意識はどうなのでしょう。スコットランドやウェールズの人たちにくらべ、彼らの民族意識は今ひとつ希薄である、というふうにいわれます。

しかし今回のW杯開催中、イングランドの旗が飛ぶように売れたという報道がありました。これはベッカム人気なのか、それともイングランドの民族意識に火がつきはじめたのか・・・ちょっと注意して見ていきたいものです。

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