学校現場で相次ぐいじめ自殺、政府統計ではなんと「ゼロ」!
生徒に教師……学校現場で次々に失われる命は、どうすれば救える? 写真提供:使える写真ギャラリーSothei |
■中学2年の男子生徒(13歳、福岡県筑前町)…… 10月11日、自宅の倉庫で首つり自殺。ズボンのポケットには、「いじめられていた」と書き残したメモがあった。
いじめの発端は、1年生の時の担任教師の言動。先生がいじめの「手本」を生徒に見せていた?!
■中学2年の女子生徒(14歳、岐阜県瑞浪市)…… 10月23日、自宅の自室で首つり自殺。部屋には、「これでお荷物が減るからね」などと書かれたメモがあった。
一方、学校側は、自殺直後に一旦認めたいじめを、30日になって否定。ところが、その翌日にはまた認めるなど、説明が二転三転……。
そう言えば、昨年9月に北海道滝川市内の小学校教室で自殺を図った小学6年の女児(当時12歳)の件で、同市教育委員会は、今年10月5日になってやっと「いじめと判断する」。自殺現場にいじめを訴える遺書が残されていたのに、なぜ1年以上もかかった?
ちなみに、文部科学省の統計によると、いじめが主な原因で自殺した公立小中高校の児童・生徒の数は、1999~2005年度までなぜか「ゼロ」のオンパレード。ところが、毎日新聞の調べでは、いじめを訴える遺書を残すなどいじめが原因と疑われる自殺が、少なくとも16件あることが判明!
統計に反映されているのはいじめの実態ではなく、学校・教育委員会の「隠蔽体質」?
一方、教師は「パワハラ」が原因で自殺!
ところで、いじめが原因で自殺に追い込まれるのは、生徒だけではありません。実は、こんな先生たちも……■中学校の男性教諭(50歳、千葉市)…… 9月6日、道路の高架橋から飛び降り自殺。教諭は、校長から「役立たず!」などと度々叱責されていた。
遺族は、「パワハラ」を理由に公務災害(公務員の労働災害)を申請へ。
■中学校の女性教諭(32歳、鹿児島県曽於市)…… 10月29日、父親の実家で首つり自殺。教諭は、学校側から専門外の科目を教えるよう指示されたが、その後、教育委員会から「指導力不足」とされ、研修中だった。
教諭のパソコンには、校長などによる「パワハラ」を訴える文書が残されていた。
学校現場は、先生も生徒もいじめに苦しむ「悩み深き場所」と言えそうですね。
ただ、いじめは学校現場に限った問題ではなく、企業などでも見られる現象です。果たして、いじめが起こっている企業はどのぐらいある?
そう言えば、「パワハラ」の意味も気になるところですね。「パワハラ」とは一体、どんな行為を指すの? 実は…… → 次のページへ