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カスピ海は海か湖か?

カスピ海は海か湖か? これが結構重要な問題なんですね。なぜか? 海と湖で異なる国際法の扱い。それをめぐる周辺国の利害。くわしく解説してみました。

執筆者:辻 雅之


(2003.02.27)

1ページ目 【日本より大きな湖、カスピ海は実は海?】
2ページ目 【カスピ海が海か湖かでこんなに違うイランの事情】
3ページ目 【実はカスピ海は「第二のペルシャ湾」だった!?】

【日本より大きな湖、カスピ海は実は海?】
なんでだろう、湖なのに「海」なんて


最近「カスピ海ダイエット」なんてはやってますが、カスピ海ってどこにあるかくらいはご存じですか?

カスピ海はロシアら旧ソ連諸国とイランの間にある世界最大の湖。どれくらい大きいかって、琵琶湖とは比較対象になりません。日本全体の面積に、インドネシアのジャワ島を足しても足りません。大きな湖です。世界第2位の湖、アメリカのスペリオル湖の3倍以上、というとてつもない大きな湖です。

おまけにこの湖、塩湖なのです。つまり、海と同じ塩水なのですね。旧ソ連にはこのような湖が多く、アラル海(カザフスタンとウズベキスタンの間にある湖)なんかもそうですね。

だから、水が「塩水」だからすっかりカスピ「海」というのかと思ってました。

ところが、「いや、カスピ海は『海』だ!」という主張が、沿岸国で強まっているのです。そして、これが沿岸国の利害に大きく関わる問題だというのですね。

いったいどういうことでしょう。次のページで考えてみましょう。

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