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次期国連事務総長レースの展望

来年の時期国連事務総長は、現在7人が正式候補として争っている状態です。この中で誰がトップを走っているのでしょうか?

執筆者:鳥羽 賢

国際機関の代表格である国連で最も高い地位にあるポスト・事務総長の任期が、終わりを迎えようとしています。国連事務総長の任期は5年で、現在のコフィー・アナン氏は1997年以来2期事務総長を務めてきました。そして次期は別の人物と交代する可能性が高くなっています。

事務総長は任命で決まる

<歴代の国連事務総長>
歴代国連事務総長
これまで7人の事務総長がいた
上の表はこれまでの歴代事務総長の名前や任期などです。国連事務総長も五輪開催国のように、いろいろな大陸から順番に選んでいこうという慣習になっています。前回と前々回でアフリカが2回続いたのは、6代目のガリ氏が1期5年だけで退任したためです。

事務総長は安全保障理事会で指名され、総会で任命されて決まります。安保理の指名を受けるためには、常任理事国5ヶ国と非常任理事国10ヶ国を合わせた15ヶ国の内、9ヶ国から承認されなければなりません。また常任理事国が1ヶ国でも反対したら、指名は受けられなくなります。なお、現在は日本も非常任理事国として安保理に参加しています。

7人の立候補者のプロフィール(1)

9月25日現在、国連事務総長に正式に立候補しているのは7名です。各立候補者のプロフィールは以下になります。9月14日の予備投票は国連安保理で行われたもので、理事国の15ヶ国がそれぞれの候補者について投票しました。(名前は敬称略)

●潘基文(バン・キムン)
出身国:韓国
生年月日:1944年6月13日(62歳)
現職:韓国外交通商部長官(外務大臣)
経歴:首相外交儀礼担当秘書、大統領外交安全保障担当特別秘書など
9月14日の予備投票:賛成14、反対1、棄権0

総評:7月24日、9月14日の予備投票で連続で最多の賛成票を獲得した最有力候補。経歴を見ても、1972年に外交官試験に受かってからずっと外交関連の職についているので、国連事務総長になるための経験は積んでいると見てもいい。

この人物は日本に対して強硬な姿勢を貫いていることで知られている。潘氏が国連事務総長になったら、日本に対していろいろ厳しい要求を突きつけてくるかもしれない。

スリランカ国旗
スリランカはセイロンティーで有名
●ジャヤンタ・ダナパラ
出身国:スリランカ
生年月日:1938年12月30日(67歳)
現職:スリランカ大統領上級顧問、国連事務次長・軍縮局長
経歴:国連軍縮研究所長など
9月14日の予備投票:賛成3、反対5、棄権7

総評:スリランカで最高学府のトリニティ・カレッジを卒業した後、スリランカ外務省に入省し外交官としてのキャリアを積んできた。現職のコフィー・アナン事務総長によって国連にスカウトされたので、現職にとってはお気に入り。

ただし他の関係者からはあまり支持されていないようだ。9月14日の予備投票では、賛成はたったの3票しか得ていない。

→さらに候補者のプロフィールを見てみましょう。
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