【天下りと特殊法人の濃密な関係!】

もう一つ、問題なのが特殊法人と官僚など公務員の天下りとの関係です。

公務員が定年後、特殊法人に天下りし、あまり仕事をしないでたくさんの給料や退職金をもらう。これが特殊法人の存在意義になっているため、特殊法人は借金まみれでもなんでも、廃止することができなくなっているというわけです。

天下り先を確保ために特殊法人が廃止できない、というのはいささか大げさですが、しかしそういわれても仕方がないのが今の特殊法人の現状でしょう。

たとえば・・・特殊法人はいくつかの子会社を抱えています。つまり特殊法人がお金を出して子会社などグループ会社をつくり、特殊法人の事業運営をサポートさせているわけです。

というと聞こえはいいですが、要は民間企業に発注できることでも、わざわざ子会社に独占させて利益を得ているわけです。高速道路のサービスエリアの営業などがいい例です。

しかし、たとえばサービスエリアの食事にしても、民間の企業、たとえば吉野家や松屋なんかに牛丼を出店させた方が安くていいサービスができるかもしれません。これを許さず(最近は出店しているようですが)自分の子会社に独占させているのは、税金や財政投融資ののムダづかいであるとともに、「民業圧迫」ともいえるでしょう。

そしてこれら子会社が得る利益は、子会社がそのまま抱えてしまいます。特殊法人に利益をあげてしまうと、特殊法人の借金を消して終わりになってしまいますが、子会社が利益を抱えこむと、その利益は残ります。

その結果その子会社は高い給料、退職金を維持することができます。つまり、子会社をつくることによって、安定した天下り先ができてしまうわけです。

こんな巧妙なことをしてまで・・・という感じですが、もっとも公務員は定年退職してから再就職するのがむずかしいのが現状です。国家公務員法という法律で退職後2年間、自分の職務だったことと関連の深い営利団体、つまり一般企業に就職することが禁じられているからです(やぶると罰則もあります、懲役1年以下)。

しかし、そうなると年金が完全に支給される65歳になるまで、自分の専門分野と全く関係のない仕事をしなければならない。これはキツイ。

一方特殊法人は営利団体でないので(一応審査はありますが)再就職することができる。しかも自分のノウハウをいかし(しかも自分の先輩や同僚たちが天下っているという環境の中で)仕事ができる。

結局、公務員は退職後しばらくは特殊法人などへ天下るしかない、ということになるわけです。

公務員もやはりサラリーマン、けっこう切実な問題がからんでくるわけですから、必至になって特殊法人を守ろうとしてくるのはなんだかわかります。定年退職後の公務員の雇用のことまで考えないといけないなんて、特殊法人改革、そうとう大変そうです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。