(2001年8月21日)

1ページ目 【平成の借金王? 特殊法人】
2ページ目 【特殊法人と郵便貯金の危険な関係?】
3ページ目 【天下りと特殊法人の濃密な関係!】

【平成の借金王? 特殊法人】

かんたんにいうと、「特別な法律によって作られ、公共的なサービスを行う機関」、これが特殊法人です。

たとえば、高速道路を管理している日本道路公団(JH)は日本道路公団法で、また日本放送協会(NHK)は放送法で、それぞれ設置法や運営方法などが定められています。

特殊法人の活動資金は、政府から税金の一部を補助してもらったり、あるいは郵便貯金などから借金する(財政投融資)などして調達するのが一般的です。

その資金をもとに、政府の監督を受けながら、必要な公共的なサービスを行い、その中で生じた利益を用いてサービスの拡大をはかることが求められています。

もっとも、「生じた利益を用いてサービスの拡大」ができている法人はほとんどないのが現状です。多くの法人は「利益があがらず、どんどん借金(損失)が増えている」状態にあるといえます。

たとえば石油公団という特殊法人は、海外での油田開発に巨額の投資をしましたが、これらの事業が軒並み不調で、1兆円もの損失がでているといわれます。

また、瀬戸大橋や明石海峡大橋を管理する本州四国連絡橋公団(本四公団)は、予想をはるかに下回る通行量のため、3兆円以上もの借金ができてしまいました。

また、特殊法人の業務が民間企業と競争してしまう状況も問題になっています。たとえば個人向け住宅ローンというサービスは、ふつうの銀行や信用金庫も行っているサービスです。しかし、この分野でトップのシェアを誇るのは住宅金融公庫という特殊法人。

特殊法人である住宅金融公庫は、税金と財政投融資を資金源にしているため、民間の銀行がまねできない低金利のローンを実施することができるわけです。

しかし、これでは民間による個人向け住宅ローンがまったく育ちません。まさに「民業圧迫(民間の仕事がやりにくくされている)」といえます。そのうえ住宅金融公庫は毎年国から補助金が出ています。税金で金利の穴埋めをしているわけです。「利益が上がらず、サービスだけ拡大」という状態です。

このような状況が生み出された背景にある、巨大な「財政投融資」とはいったいなんでしょうか。次のページでくわしく見ていきましょう。

▼話題になっている特殊法人
日本道路公団 高速道路の管理など。東京湾アクアラインなど、採算がとれない事業も多く抱えている。
石油公団 石油税を資金として石油の備蓄・海外油田の開発に投資。1兆円近い損失を抱える。廃止が検討されている段階。
都市基盤整備公団 賃貸・分譲住宅を提供する事業を展開するが、これでえられる利益でまかなえる費用は全体の半分以下。廃止を主張する声も。
本州四国連絡橋公団 瀬戸大橋などを管理。通行量が予想を大きく下回り、四兆円近い負債を抱える。
日本中央競馬会 数少ない成功例といえるが、急速に進む公営ギャンブル離れをどう食い止めるかが課題。
帝都高速度交通営団 営団地下鉄。採算はとれているが、今後は民営化してさらなる効率化が必要とされる。
住宅金融公庫 低金利の住宅ローンが民間金融機関を圧迫。税金の投入も多く、民営化や廃止の声も少なくない。