なぜ建物が未完成の状態で販売するの?

パンフレットやモデルルームを手がかりに完成後をイメージ
パンフレットやモデルルームを手がかりに完成後をイメージ
建物が未完成の状態で販売することを「青田売り」と言い、ほとんどの新築マンションはこの手法で販売されています。購入者にとっては事前に実際の住戸を見ることができず、モデルルームやパンフレットを見て判断しなければなりません。しかも、モデルルームがつくられる住戸のタイプは限られるので、自分が買いたい住戸タイプと一致しないケースも多いのです。「数千万円もの買い物なのに、実物が見られないなんて……」と不満を抱く人も少なくないでしょう。

ではなぜ、青田売りが主流なのかというと、なるべく早く資金を回収したいという不動産会社側の都合があるからです。たとえ小規模なマンションでも、建設するには数十億円単位の資金が必要なので、不動産会社は銀行などから事業資金を借り入れることになります。その資金は建物が完成して購入者から代金を支払ってもらわないと回収できませんから、完成時にはなるべくすべての住戸が売れている状態にするために、早い時期から販売をスタートさせるのです。もし完成してから販売を開始すると、資金の回収が遅れて銀行へ支払う金利負担が膨らむリスクが高くなってしまいます。

青田売りならではのメリットもある

ただし、青田売りには購入者にとってのメリットもあります。工事が始まってすぐの段階で販売が始まるケースが多いので、住戸の間取りをいくつかのプランから選べたり、内装の仕様やグレードに好みを反映できる場合が多いのです。「メニュープラン」や「セレクトプラン」と呼ばれる販売形態です。ある程度工事が進んでしまうと自由に選べる範囲が狭まり、完成後は選択できなくなります。

それに、最近はタワーマンションなどで住戸からの眺望をシミュレーションできるシステムを導入し、販売センターで確認できるケースも増えています。最も気になる完成後の眺望を、ある程度はイメージできるでしょう。それでも「実物を見ないと買えない」と思う人は、完成済みで販売している住戸か中古マンションを買うしかなさそうです。

販売センターで見かける赤い花のイミは?

買いたい住戸に赤い花が付いていても、あきらめずに確かめよう
買いたい住戸に赤い花が付いていても、あきらめずに確かめよう
マンションの販売センターに行くと、住戸の配置表がかけられた壁一面に赤い花が貼り付けてあるのを目にすることがあります。まるで選挙のときの当選者の名前に付ける花のようですが、これは「登録済み」の住戸であることを表すもの。たくさん花が付いていたら、それだけすでに登録が入っていることを示します。

これからそのマンションを買う人は、基本的に花の付いてない住戸から選ぶわけですが、花が付いている住戸が絶対に買えないわけでもありません。というのも、登録が済んでいるだけで契約したわけではない場合が多いので、登録期間内であれば後からでも登録は可能なのです。ただし、ほかにも登録している人がいるわけなので、抽選に当たらなければ買うことはできません。

なかには販売センターを賑やかにするために、多めに花を付けているケースもないことはないようです。「この住戸は花が付いているから買えないの?」と聞いてみると、あっさり「大丈夫です」なんて言われることもあるかもしれません。希望の住戸に花が付いていたら、確かめてみるといいでしょう。

では、売れ残ったマンションは値引きしてもらえるのか? 次ページで検証します。