家が古くなってくると、玄関ドアや室内ドアなど、建具の立て付けが悪くなることがあります。これは、家の築年数が経てば、仕方のないことだと思っていませんか? この現象は、実際、建具に付いている蝶番や建具枠の不具合で起こることが多いのです。ですから、がたついた蝶番やゆるんだ建具枠を調整すれば多くの場合、直ります。
ところが、立て付けの悪さが単に1つのドアだけなら、そのドアのみの不具合ということになりますが、家の中で何ヶ所も悪くなっているようだと、タイトルにもあるように、築10年でも「老け家化」が考えられます。
では、「老け家」とは何でしょう? でもその前に、まず、ドアの耐久性を考えてみましょう。
◆立て付けが悪くなるのはドアの耐久性の問題?
玄関ドアや室内ドア、サッシなどには、JIS規格(日本工業規格)という規格があります。JISマークが付いている製品は、各メーカーがこの規格を一つの基準として製造しいます。
JIS規格では、たとえば、ドアについて、開閉テストや、強い力で閉めたときの衝撃テスト、体当たりしたときのテストなどを義務づけています。ドアの場合、開閉テストでは、通常20万回の開閉に耐えることが基準になっているそうです。そのうえで、各メーカーは独自に、このJIS規格を上回る社内基準を設けて、耐久試験をしています。
あるメーカーでは、室内ドアの蝶番について、通常のドアより2~3倍と重量の重いドアで、20万回の開閉試験を行っています。
これは、通常のドア(蝶番)で約27~41年の耐久性があることになります。
ドアと建具枠を接続する蝶番のがたつきはドライバーで調整できます | 建具の枠もネジで取り付けてあるものは、ドライバーなどを使えば多少の調整ができます |
もちろん、これは耐久試験から算出した計算上のドアの耐用年数ですが、ドアは結構長持ちするのです。また、蝶番の部分的がたつきなら、ドライバーで簡単に調整できます。ドアにぶら下がって遊ぶなど、常にドアに大きな負荷をかけていない限り、20年、30年で立て付けが悪くなることは少ないと考えられるのです。
では、なぜ、ドアが開閉しづらくなるのでしょうか。
それはズバリ、構造のゆがみです。構造が老朽化し、家本体の剛性が弱まり、家全体がゆがんだり、傾いているからです。そして、これは、家の耐久性や構造と密接に関係しているので、一概に築年数だけで判断できるものではないのです。
つまり、築年数が30年、40年と経っていてもしっかりした「若い家」と、築年数がそれ程経っていなくても、床や柱など構造がゆがんだことで、建具の開閉がしにくくなる「老け家」とがあるのです。
でも、どうしてそんなことが起こるのでしょう? 次ページでは、その原因を考えていきましょう。