いよいよ新学期です!
ある日突然、「気がかりのある子」といわれたら… |
とりわけ新入園、入学生にとっては、初めての園、学校生活を体験し、夏休みを経て、この秋からがまさに本格的な園、学校生活の始まりともいえます。そのため、はじめは手探りであった先生たちにも、子どもたちの気がかりな行動が本格的に目についてくる季節だともいえます。
長い休み明けで、ホッとしているある日、突然、担任の先生に「お宅のお子さんにちょっと気がかりな点があるのですが…」といわれたら、親として、どう対処したらいいのでしょうか? 新学期を前に、一緒に考えてみませんか?
「気がかり」の原因を探る
原因は実にさまざま |
もちろん、性格的なことであったり、成長の過程で問題が解消される場合もありますが、時には特定の原因がある場合もあります。ここで、いくつかのケースをご紹介します。
LD(学習障害)
LDは「学習障害」といわれ、全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、計算をするといった学習能力のうち、ある特定のものが上手に行えないものをいいます。
ハリウッドスターのトム・クルーズは、自らLDの中の「失読症」であることを告白しています。診断を受けたのは7歳の時、そのために転校もしたといいます。
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学習障害って知っていますか?
ADHD(注意欠陥/多動性障害)
LDよりもよく知られた存在にADHDがあります。基本的な症状は、じっと席に座っていられない、順番を待つことができないといったことがあり、授業中に突然立ち歩くなど、学校生活を円滑に行うことができにくいのが特徴です。
また、ADHDについてわかりやすく書かれた本として有名な「のび太・ジャイアン症候群」によると、多動性・衝動性の強い「ジャイアン型」と不注意の強い「のび太型」があるなど、ひとくちにADHDといっても、その症状はさまざまです。
本人は、今に至るまでその診断を受けたことがないそうですが、「窓際のトットちゃん」を読んだ専門家から「典型的なADHDのお子さんの症例ですね」と指摘されたと、黒柳徹子さんは語っていますし、エジソンやダ・ヴィンチもそうだった指摘する専門家も少なくありません。
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ADHDとは
アスペルガー症候群
別名「知的障害がない自閉症」とも言われています。人との関係を良好に保つことが苦手であったり、「こだわり」が強いといった問題があります。つまり、円滑に社会生活を送る上での「暗黙のルール」といったものが理解できずに、集団生活の中で、いわゆる”浮いた”存在になりがちです。
しかし知的には高い能力を示すことも多く、興味を抱いた分野に関しては飛び抜けた能力を発揮することも少なくありません。
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アスペルガー症候群を知っていますか?
二次障害を起こさないために
正しい知識が「はじめの一歩」 |
幼児、保育関係者にお話を伺うと、明らかにアスペルガー症候群などが疑われるケースであっても、保護者が認めない場合も少なくないといいます。そのため、必要な職員の加配や適正な対処ができない場合が増えており、それがクラス運営を難しくしている側面もあるといいます。
今回はごく簡単に紹介をさせていただきましたが、最近は関連本なども多数出版されています。正しい知識を身につけることが、対応の第一歩となるはずです。
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NPO法人えじそんくらぶ
軽度発達障害フォーラム