骨、関節、筋肉、病気、ばね指、脱臼、治療

骨・筋肉・関節の病気は、生活のQOLを落とし、ストレスから心の病気になることも……

もし、骨や筋肉、関節がなかったら、ヒトは自分の意思では動けない、グニャグニャしたアメーバのような体になってしまいます。私たちは普段は意識せずに、自分が思う通りに体を動かしていますが、加齢や事故、病気などで骨や筋肉、関節がダメージを受けると、何気ない日常動作が困難になってしまうことも。結果として活動範囲が狭まり、大きなストレスを抱えることもあります。

骨・筋肉・関節の病気は、単に骨格の問題というだけではなく、生活の質を落として、精神的にも影響を及ぼす可能性があるのです。骨格を構成する3要素、骨、筋肉、関節について、わかりやすく解説します。

骨のしくみと働き

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ヒトは、大小さまざまな形の206個の骨でできています。その骨は緻密質という硬い外側と、海綿質という、孔と網目構造を持つ柔らかい内側の、二層構造でできています。この二層構造によって、強い丈夫さと軽さを兼ねた骨ができるのです。

骨の働きは、大きく2つ。1つは、みなさんご存知の骨格を形成し、体重を支える働き。そしてもう1つの重要な役割は、カルシウムの貯蔵庫としての機能です。骨は、血管の中のカルシウムとリンを吸収したり放出することで、体中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあります。成長が止まり成人した後も、 骨は絶えず吸収と形成を繰り返し、骨組織を作り替えながら、血の中のカルシウム量を調節しているのです。このカルシウム代謝は副甲状腺ホルモンやビタミンD、 腎臓などの影響を受けています。骨粗鬆症や人工透析による骨のもろさは、骨のカルシウム代謝異常が原因だと考えられています。

筋肉のしくみと働き

筋肉は体重の40%を占める臓器で、体の運動や姿勢の維持を保つ働きをします。骨格筋は筋膜につつまれた筋線維のかたまりで、両端は硬くて丈夫な腱となって、骨に付着します。そして、複数の筋肉が協調して収縮したり弛緩することで、体は意思通りに動くのです。さらに筋肉には、体温を保持するという働きがあります。骨格筋には意思を伝える運動神経だけではなく、汗や血管を調節する交感神経が存在します。ですから、ヒトは寒さを感じると、筋肉が勝手に収縮して 体がふるえ、熱産生を促すのです。みなさんも、冬の寒い日に、ブルッと震えた経験があるでしょう。これが、筋肉がふるえて、体温を上昇させようとする、反射反応です。

関節のしくみと働き

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骨と骨を連結して可動させる構造が、関節です。関節は骨と骨の隙間を示す関節腔(かんせつくう)と、関節腔を包む袋構造の関節包(かんせつほう)、そして 骨の関節面を覆う関節軟骨の3つの要素からできています。その関節包の内側に存在するかつ膜は、ヒアルロン酸に富むかつ液を産生して、関節腔を満たしています。この関節構造は骨の摩耗を防ぎ、軟骨に栄養を与え、柔軟な動きを可能にします。

体の中でも一番酷使される膝関節には、関節を補強する半月板が存在し ます。膝を曲げたり伸ばすことで、半月板の損傷や関節軟骨の摩耗が起こり、かつ膜に炎症が起こります。炎症の結果、かつ液が大量に生産されることで、膝が 腫れて痛みを生じます。さらに症状が進むと、骨自身の変形をきたし、手術治療が必要になることもあります。


以上が骨格の3要素の主なしくみです。それぞれが高機能に発達し、骨格として重要な働きをする臓器であることがわかると思います。また、代謝や神経とも深く関わりがあるため、骨、筋肉、関節の病気は全身に影響を及ぼす可能性もあるのです。

次のページでは、骨・筋肉・関節の病気の中でも特に身近な病気3つをご紹介します。