「いつ」には二種類ある
私は、「いつ家を建てるか」といったときの「いつ」には、二種類あると思います。確かに金利は返済計画に大きな影響を与えるのですが、それだけにとらわれてはいけません |
もうひとつの「いつ」は、社会的な環境から見たときの時間を表す「いつ」。低金利で税制などの優遇制度が充実している「今だからこそ、建てどき」といった場合の時間です。
個人的な「いつ」と社会的な「いつ」
家を建てた人を対象にした調査を見ると、だいたいどの調査でも、最も多い年齢層は30代。この世代は子供が生まれるなど、家族構成が変化していく年代です。そのため、家が手狭になるなど、必要に迫られて家を建てる人が多いのでしょう。住宅ローンは、20年、30年といった長い期間に渡るものなので、1%金利の違いが総返済額に大きな影響を与えます。当然、少しでも金利が低いほうが負担は軽くなります。
優遇制度も同じです。住宅ローン控除だけでなく、住宅版エコポイントのように対象期間が短く設定されているものもあるので、現在のような低金利で、優遇制度の恩恵を受けられるうちに家を建てるべきだという考えも説得力があるわけです。
個人的な「いつ」を優先して
前述のように「いつ家を建てるか」と言った場合の「いつ」には二種類あると思いますが、このうち、優先してほしいのは、個人的な時間の「いつ」です。社会的な環境による時間によって家を建てることになったのではなく、自分の中に「家を建てたい」とか、「快適な暮らしがしたい」といった気持ちがあったほうが無理なく家づくりが進行するからです。
例えば、低金利だからといって「こんな暮らしをしたい」といったイメージがまったくなかったり、無理な資金計画を立てて新築してしまうと、家が完成してから「こんなはずではなかった」ということになりかねません。
また、個人的な「いつ」を優先するといっても、30歳になったからという時間だけで家を建てることを決断しないでください。あくまでも、家を建てたいといった気持ちがあることが前提です。そして、「どう建てるか」といったことに眼を向け、家づくりを進めてほしいと思います。
次のページでは、「どう家を建てるか」を考えることはどうして重要なのか、「どう建てればいいのか」について話を進めていきましょう。