重大事故を受け、法律が改正された
一時期、頻繁に新聞やテレビなどで取り上げられていた、住宅設備や家電製品の部品の劣化や摩耗による火災やケガ・死亡事故を覚えていませんか? そういわれてピンと来ない人も、瞬間湯沸かし器やFF式の暖房機についての補修や点検のテレビの告知広告といえば、心当たりがあるでしょう。浴室用電気乾燥機は長期使用製品安全点検制度の特定保守製品。所有者登録をしましょう |
9つの対象商品に注意
では、どんな制度なのかもう少し詳しく見ていきましょう。「長期使用製品安全点検制度」では、9つの製品を「特定保守製品」と定め、安全に使える目安として「設計標準使用期間」を定めています。対象となる製品は、下記の通り。
(1)屋内式都市ガス用瞬間湯沸かし器
(2)屋内式プロパンガス用湯沸かし器
(3)屋内式都市ガス用風呂釜
(4)屋内式プロパンガス用風呂釜
(5)石油風呂釜
(6)石油給湯機
(7)FF式石油温風暖房機
(8)ビルトイン式電気食器洗浄機
(9)浴室電気乾燥機
消費者がしなければならないことは?
この制度により、私たち消費者に義務づけられたのは、所有者登録と保守点検です。まず、前出の9つの製品のいずれかを購入したときは、所有者登録をします。製品についている「所有者票」という用紙に必要事項を記入して、郵送します。メーカーによっては、WEBで登録することも可能。賃貸住宅の場合は、家主が所有者登録をします。所有者登録により点検時期になると、メーカーから通知が届くので、確実に点検することができるという仕組みになったのです。
点検は有料で、設備機器の種類や状態、メーカーによっても違ってきますが、出張料や技術料で7000~1万円くらいを予定しているところが多く、所要時間の目安は1時間程度だそうです。もちろん、点検によって、部品交換などの必要があれば、別途部品代や取り付け工事費などがかかる場合も考えられます。
もうひとつの「長期使用製品安全表示制度」とは?
同時に創設された「長期使用製品安全表示制度」とは、下記の5つの製品について、設計上の標準使用期間と経年劣化についての注意喚起等の表示が義務化された制度です。(1)扇風機 (2)換気扇
(3)エアコン (4)ブラウン管テレビ
(5)洗濯機(全自動洗濯機・2槽式洗濯機)
これらの製品には、それぞれ製造年と、設計上の標準使用期間が書かれています。そして「設計上の標準仕様期間を超えて使用されますと、経年劣化による発火・けが等の事故に至るおそれがあります」という文言が記載(または表示)されます。
私たちが注意しないといけないのは、この標準使用期間を過ぎたときです。異常な音や振動、ニオイなどがしないかなど、製品の変化を見逃さないようにしましょう。そして、万一、おかしいなと感じたら、使用を中止し、早めにメーカーに連絡すること。もちろん、表示されている期間より前であっても、同じです。
次のページでは、「長期使用製品安全・点検点検制度」についての疑問点をまとめます。