住宅のキッチンプランを見ていると、圧倒的に下の二つのプランが多いことに気づかれることと思います。
キッチン本体と全く関係ないような位置に、60~70cm幅のスペースを取り、残りを食器棚スペースと書いてあるプランです。
planA、planBともに右利きの方に使いやすいと言われている「右流れ」の動線計画です。planAは冷蔵庫からシンクや作業台までが離れているため、作業中に何度も往ったり来たりを繰り返すことになります。
planBの方がシンクや作業台と並んでいるため、使いやすさがはるかに向上します。
キッチンレイアウトの基本はCloseUp「成功するリフォームのコツ-4」でも取り上げたように、作業の流れに沿って、できるだけシンプルな動線上に必要な機器を配置することです。
冷蔵庫の位置だけでなく、もうひとつの問題は、トビラの開き勝手にあります。
plan A
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plan B
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二つのプランを見るとどちらも、冷蔵庫の開き勝手が左開きの方が使いやすいことはわかりますね。ところが実際に売られている冷蔵庫は圧倒的に右開きの冷蔵庫が多いのです。そしてどちらのプランでも冷蔵庫のヒンジ側に壁があってトビラが全開できません。庫内のバスケットやトレイがまっすぐ引き出せず使いづらくなってしまうのです。 この問題を解決するプランが次のplanCです。すなわち壁と冷蔵庫との間に最低30センチ、少なくとも60センチから120センチ幅の「食品庫」を設けることです。このようにレイアウトすると冷蔵庫のトビラが全開できるし、食品庫との連動で使いやすいキッチンができます。
plan C
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(C)May.2001 HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABORATORY
INC.
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キッチンには冷蔵庫に入れる必要のない食材や保存食、飲料などが数多くあります。これらの収納のためにも食品庫はぜひ設けるように計画してください。キッチンの収納が足りないという問題解決の一つとして、 キッチン本体の寸法を少し犠牲にしても食品庫を確保することは美しく働きやすいキッチンづくりに欠かせません。