ここ数年、日本のデザイン界でユニバーサルデザインという言葉を聞かないことはありません。
日本ユニバーサルデザイン協会
http://www.bfa.gr.jp/uda/index.html
ノースカロライナ州立大学:ユニバーサルデザインの概念(英文)
http://www.design.ncsu.edu/cud/univ_design/princ_overview.htm
簡単に言えば、ハンディキャップやバリアフリーという概念から、その対象をより広範囲にし、すべての人たちにとって安全で使いやすいものを提供しようという考え方です。高齢化社会に突入した日本の住環境に真剣に導入されるべき考え方と言えます。
特にキッチンまわりは水や火ばかりでなく、いろいろな道具を使う場であり、すべての家族にとって使いやすさや安全への充分な配慮が欠かせない空間であることは言う迄もありません。
往々にしてキッチンのユニバーサルデザインを取り上げると、吊り戸棚が降りてきたり、ワークトップが上下したりという、機械仕立ての仕掛けに陥りやすいのが実態です。
高齢者に分類される65才から20年以上もの長い生活時間をこなしていくには、このような機械仕掛けが役だたなくなるであろうことは目に見えています。
下図に表現した今回の提案は、高齢者にとってあらかじめ使いやすい作業台の高さを確保すること、すなわち椅子での作業ができる75センチ高さのワークトップ。そして最初におそってくる足腰の弱りと負担を少しでも和らげるために、立ち居から連続した姿勢で腰掛けられ、横移動のままで食卓に座ることができる、45センチ高さの「あがりの間」の復権です。
現在の住宅計画では、高齢化対応の住宅に共通して床の段差を無くす「フラットフロアー」がキーワードとなっていますが、むしろこのような「あがりの間」を設けることによって、座位 と立位との目線高さに差が少なくなるため、快適なコミュニケーションを約束できます。
Topicsやキッチンのプロ向け情報サイトでも取り上げていますが、
2001年10月24日から26日まで国際福祉機器展が東京ビッグサイトで開催されます。
http://www.hcr.or.jp/
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