IHクッキングヒーターを使えば、住宅の内装制限の適用を受けません
神奈川県建築条例が改正されました |
神奈川県建築条例で、住宅の内装制限に関する法規が改正されました。 その内容は下記の通りです。 |
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NO 4 (整理番号20) 該当法令 法第35 条の2、令第128 条の4第4項 電磁誘導加熱式調理器の内装制限 電磁誘導加熱式調理器は,電磁誘導により加熱,調理するものであり火気を使用しない ため,法第35 条の2に規定される「その他火を使用する設備若しくは器具」に該当しない ものとする。 解説 電磁誘導加熱式調理器は火気使用がないため,内装制限が適用されない。 また,消防法及び火災予防条例等により調理器と周囲との離隔距離等について規制が あるので注意を要する。 関連法令等 参考 法第28 条 令第20 条の3 建築設備設計・施工上の運用指針 2003 年版 第2章 換気設備 2-22 電化厨房の換気設備について 神奈川県建築行政連絡協議会承認年月日 平成15 年7 月29 日建築基準法 |
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従来、住宅のキッチンを設計する場合は、次の建築基準法にのっとって内装制限の適用を受けてきました。 | |||||||||
(昭和二十五年五月二十四日法律第二百一号) (特殊建築物等の内装) 第三十五条の二 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物、延べ面積が千平方メートルをこえる建築物又は建築物の調理室、浴室その他の室でかまど、こんろその他火を使用する設備若しくは器具を設けたものは、政令で定めるものを除き、政令で定める技術的基準に従つて、その壁及び天井(天井のない場合においては、屋根)の室内に面する部分の仕上げを防火上支障がないようにしなければならない。 |
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今回の神奈川県建築行政連絡協議会の通達によると、IHクッキングヒーターを使えば、内装制限の適用を受けなくなるということです。 但し解説にもあるように、消防関連の法規は順守するよう重ねて注意が喚起されています。 というのも最近の住宅雑誌の中で取り上げられるキッチンの事例写真の中に、明らかにこの消防法が守られていない排気システムを採用している例が数多く見られるからです。 戸建住宅の場合、消防の竣工検査が無いため、この様な排気方式が野放図に使われ、また建築家もこの法規を順守しないで設計に取り込むことが多く見られるのは極めて残念なことと考えます。 |
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キッチン設計の基本である、安全を守るためにも、消防の設置基準は順守するようにしてください。 |
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以下の表と図は、財団法人日本ガス機器検査協会の発行する通称黒本と呼ばれている「ガス機器の設置基準及び実務指針」平成7年4月発行の最新改訂版から抜粋したものです。 | |||||||||
[ガス調理機器とグリスフィルターとの離隔距離] 指針 一般家庭のガス調理機器とレンジフードのグリス除去装置との離隔距離は、次表の通りとする。
(注2)特定の安全性を備えた調理油過熱防止装置付こんろ等でガス機器防火性能評定を受けたものをいう。 (注3)レンジフードファン(電気用品取締法施行令別表第1.9(1)に規定する換気扇)で、器体の一部を排気フードとした風量15立方メートル/分以下のものをいう。 (注4)各住戸の厨房用ダクトが単独排気方式の場合に限る。 |
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コンロの全口に調理油過熱防止装置が付いた機種は、現在東京ガスのサイトの中には一機種もありません。
ということは、従来通り、コンロからグリスフィルターまでの離隔距離は80センチ以上離すことが必要となります。 |
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調理機器とレンジフードファン付属のグリスフィルターとの設置位置の例は次の図の通りです
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神奈川県の建築条例で、IHクッキングヒーターを使った場合は内装制限の適用を受けないということは、画期的な判断と言えます。しかし消防の通達では、上図の通りIHクッキングヒーターもガス器具と同様の離隔距離を確保することは同じように要求されますから、キッチン設計の基本寸法として順守するようにしてください。 | |||||||||
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関連記事「キッチンのコンロまわりの制約」もお読みください。 | |||||||||
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