ドイツBulthaup社の最新キッチンシステムB3
10月3日青山にあるブルトハウプ・ジャパンのショールームでBulthaupの最新モデル"B3"の発表会が開催されました。
世界中のキッチンメーカーが固唾をのむ中、昨年4月にミラノで開催されたEuroCucina2004(ヨーロッパキッチン展2004)に合わせて別会場で発表されたB3シリーズは、今までSystem25やSystem20という名で最先端のシステム構成を提供してきたBulthaup社が根本的なシステム構成の改革を行い、全く新しいキッチンシステムを世に問うたものです。
世界中にキッチンメーカーは多々あり,そのデザインやマテリアルやシステム構成などを競い合っていますが、今回発表されたB3(ブルトハウプの第3世代の意)は、他を圧倒する画期的システムの創造と高く評価できるでしょう。
青山の表通りには面していないブルトハウプジャパンのショールームは少し分かりづらく、また最新のガラス建築の建物はスケルトンで中までよく見通せますが、重い鉄扉はむやみに入るわけにはいかないドイツブルトハウプ社の基本コンセプトに則ってつくられています。
発表会のレセプションには130名ものゲストが招待され、さまざまなイベントが催される中、ゆっくりとシャンペンとピンチョスのオードブルやドルチェを堪能することができました。
白鳥社長の挨拶の後、香港にあるBulthaupAsiaPacific担当のBenYiuマネージングディレクターから挨拶があり、お二人のB3への熱い思いが披露されました。日本人と変わらない顔立ちのBenYiu氏の英語の挨拶をドイツ人の日本スタッフが日本語で通訳するというちょっと不思議な光景は国際企業としての面目躍如!
1日2組(テーブルは1卓で10人まで)という完全予約制のフレンチレストラン アロニア・ド・タカザワが今年9月2日に赤坂にオープンしましたが、この店の高澤義明シェフによるbulthaupB3キッチンを使った、エゾ鹿のジビエ料理の実演がありました。
高澤シェフの見事な包丁さばきをゲストの人たちは固唾をのんで見守る。
フライパンで下焼きをしてオーブンで火を通す。鹿肉から立ち上がる何とも言えない香りが会場に漂うと待ちきれないゲストたちが350mm奥行きのナチュラル仕上げメープルカウンターの周りに集まってくる。とても柔らかく鹿肉の臭みは殆どない。下ごしらえがしっかりできていることがうかがえる。
ショールーム展示の一部をご紹介します。780mm奥行きのアイランドキッチンにはいくつもの引き出しが組込まれているが、すべてフルスライドで700mm近い奥行きが収納量を大幅にアップしている。中の間仕切りトレーは同じメープル材を特殊加工した飴色の仕上げでその高質な質感が優しさを感じさせる。
B3の驚愕のシステムはそのキャビネット構成にある。キャビネット本体は16mmのパーティクルボード仕上げで、扉の厚みは13mm!ワークトップとサイド化粧パネルはなんと厚みが10mmしかありません。
全体に感じる軽快さはこのキャビネット構成からくるのかもしれません。
根幹のシステムであるウォールハンギング方式でセットされたオーブンの下は引出しユニット。オーブンで使われる小物の収納に欠かせない要素だ。
レセプションに色を添えてくれたのがバイオリニストの古澤巌氏とチェロの大藤桂子氏とのアンサンブル。この夜は類を見ない新しいB3システムで目を楽しませていただき、エゾ鹿のジビエ料理や美味しいシャンペンで味覚を堪能し、最後に素晴しいライブ音楽で聴覚を刺激することができた。まさに五感を研ぎすますことのできたレセプションだった。
この五感に目を奪われて,ほとんどのゲストが気づかなかったのが、B3の根幹である「ファンクションウォール」と名付けられたウォールシステム。側面から見えるこの壁面こそがB3の要なのです。次ページでは昨年4月ミラノで発表されたB3の基本システムをご紹介します。
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