システムキッチンの影の立役者?
Blum 扉用ヒンジ
ブルモーション新登場!
システムキッチンに欠かせない部品といえば、スライド蝶番と引出しレールでしょう。各社システムキッチンの引出しレールが変わってきたことに気づかれている方も多いと思います。一昔前の引出し用レールは動きも悪く耐久性も劣り、使用者の満足できるレベルに達していないものが多かったのですが、最近の引出しレールは軽く押しても強く押してもスーッと入り、最後にピタリと閉まってくれるレールが使われるようになりました。その代表がオーストリアの家具金物メーカーBlum社の「ブルモーションレール」です。
レールの長さとボックスレール内蔵型と外付け型によって変わりますが、30Kg/50Kg/80Kgと相当の耐荷重性能があります。キッチンで収納される調理道具や陶磁器の食器など重い重量でも、重さに関係なくスムーズな動きをしてくれるのがブルモーションシステムの特徴です。まさしく現代のシステムキッチンに欠かせない影の立役者であり貴重な部品といえるでしょう。
タンデムボックスレール内蔵型ブルモーションは、上図のような複雑な部品構成によって作られています。まさしく知能と技術の勝利と呼んで良いほど緻密なデザインです。
ブルモーションは引出しレールだけしかそのメカニズムは組込まれていませんでしたが、今回新たにスライド蝶番などの開き扉にも同じ動きをする部品が開発され日本国内でも発売が開始されましたのでご紹介します。
今から40年近く昔、キッチンメーカーで開発デザインを担当していた私のところに、家具金物問屋と輸入代理店の担当者が”ドイツでは最近こんな部品が使われるようになったんですよ”と言って持ち込んできたのがドイツHAFELE社のスライド蝶番でした。当時のキッチンセットにはキャビネット蝶番やP蝶番と呼んでいたステンレス板を折り曲げてピンを取り付けただけの蝶番しかなく、スライド蝶番をはじめて目にしたとき支点がスライドしながら扉が開く複雑な動きに目を見張ったものでした。
そして一個が一円単位のP蝶番と比較して一個が約1500円という値段にも驚き、いつかはこんな蝶番を使ってキッチンを作りたいなと思ったものでした。
数年後にフリーランサーとしてオーダーメイドキッチンの設計施工を手がけるようになり、当時百貨店のインテリア家具部門に出入りしていた高級家具メーカーに依頼して、本格的にスライド蝶番を使いはじめたのが日本のキッチンにスライド蝶番を使いはじめた最初でした。
「閑話休題」
これが新しく開発されたブルモーション機構付きのスライド蝶番です。従来の蝶番の座の部分にこのブルモーション機構を取り付けることによって、扉がバタンと閉まるのを防ぎ、引出し同様柔らかく音もなく確実に閉まってくれるのです。
写真で見える黒いベロの突起がブルモーション機構です。
ブルモーションヒンジはこのように従来のスライド蝶番のキャップの代わりに別部品を取り付けます。
ブルモーション機構の取り付け部品
。この部品寸法幅18mm、奥行き寸法58mm、ベロの出寸法18mm、 高さ寸法15.4mm。
標準タイプのスライド蝶番にこの部品を取付けできます。分解してみるとシリコンダンパーの機構部が見えます。新しいスライド蝶番はすべてキャッププレートの取付け穴が写真のような角穴に変わりました。以前の丸穴タイプではブルモーション機構の取付けはできませんから注意してください。
スライド蝶番に取り付けることができない場合は、標準スライド蝶番と同じ32mmの穴ピッチでこの部品を取り付けても同じ効果を期待できます。
真上から見た形状。本体部分幅寸法17mm、取り付け座部幅寸法46mm、本体部分奥行き寸法70mm、ベロの出寸法21mm、本体高さ寸法25mm。
他にも扉用ブルモーションとしてこのような部品もあります。写真のようなキャビネットの木口部分に穴開けして取り付ける方式と、アダプタープレートを使って取り付ける方式があります。
一般的なキッチン扉では一枚に一カ所取り付けますが、トールユニット扉の場合は2カ所取り付けます。取付け穴寸法はφ10mmで穴の奥行き寸法は50mm必要です。
輸入キッチン金具メーカーには次のようなメーカーがあります。
◇
オーストリアblum(日本輸入代理店:デニカ株式会社)
◇ドイツHettich(日本代理店:ヘティヒ・ジャパン株式会社)
◇ドイツHAFELE(日本代理店:株式会社 ハーフェレジャパン)
■毎週発行!!無料「キッチンメルマガ」をぜひご購読ください■
キッチンに関わる様々な情報を発信しています。
こちらから登録できますので、よろしく!
■ 「キッチン・掲示板」では ■
キッチンに関する様々なご質問にお答えしています。
新築やリフォームの時、
キッチンのことでわからないことがあったら、
キッチン掲示板をご利用ください。
掲示板への書込みはこちらからどうぞ!
(C)Feb. 2006 Copyright HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABO.INC.