目線は口ほどにモノを言う
「キッチンから始める幸せ計画」
オープンキッチンの極意とは!
アイランドキッチンを計画したとき一番問題となることは、
1:カウンターの利用の仕方 | ◇バーカウンターや軽食カウンターとしてダイニングテーブルは別に用意する。 | |
◇キッチン作業用のカウンターとして利用する。 | ||
◇ダイニングテーブルと作業台を兼用する。 | ||
2:カウンターの高さ | ◇バーカウンターやサービスカウンターとして1000~1100mm。ダイニング側からキッチン作業面を見せないよう配慮する。 | |
◇キッチンカウンターの高さと揃えて、作業面を広く利用する。 | ||
◇食卓として利用できるよう650~750mm高さにする。 | ||
3:目線の高さ | ◇バーカウンターの場合は立っている人との目線が揃いコミュニケートしやすい。plan-A参照 | |
◇キッチンカウンターの場合は目線に差が出る。plan-B参照 | ||
◇ダイニングカウンターの場合は目線に相当差が出て、立っている人が見下ろす感じとなる。plan-C参照 | ||
この3つの要素が大切なのは、椅子の高さをどうするかということにつながるからです。テーブルの高さと椅子の座面の高さの差を「差尺」と呼び、一般的には25~30cmの差尺が使い易い高さとなります。
◇下図のplan-Aのバーカウンターでは立っている人と目線が揃って対等の関係を築くことができるが、座面の高さは700mm以上となり、バー用のスツール等のハイチェアが必要となる。
◇plan-Bのキッチンカウンターの高さは、使用する家族の身長に合わせて800mm~900mm位が最適な高さとなります。この場合も座面高さは500~650mmとなって普通の椅子では高さが足りず、スツール椅子を必要とする。
◇plan-Cのダイニングカウンターなら座面高さは350~450mmの一般的な椅子を使うことができる。
◇plan-A'は普通の椅子が使えるようにするため、キッチン側の床を300mm下げている。plan-B'も同様に150mm下げている。キッチンとダイニング側との床高さをこのように段差をつけることは、ユニバーサルデザインの観点から見ると好ましくないという指摘もあるが、空間デザインに変化をもたせるために、ゆったりと床面に段差をつけることもいいのではないだろうか。
困ったことに、スツール椅子でデザインの気に入るものがほとんど世の中にないこと、スツールでは床面に足が届かないため足をぶらぶらさせたり、落ち着かずキッチンバックに止まり木を用意する必要があることです。お子さんがまだ小さい時は特に不安定な姿勢となりやすいので要注意となります。
これからのキッチンが、ますますオープン化の傾向を強めていくことは、アメリカでHMR(Home Meal Replacement)やHMS(Home Meal Solution)という言葉がもてはやされ、日本で「中食」と訳される家庭食の新しい姿はデパ地下やコンビニ弁当の普及で実証されるようになりました。この新しい食形態がキッチン計画に大きな影響を与えることは間違いないでしょう。
私が未来のキッチン形として提唱しているKitchenless KitchenやCookingless Kitchenなども現実にその姿を現しはじめています。
大切なことは、オープンキッチンに絶対というものはなく、ユーザーの皆様の価値観の中で最適な家族のコミュニケーションを築き上げるために最適なキッチンプランを検討されることだと思います。
(C)Mar. 2007 Copyright HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABO.INC.