Point1 使用目的を明確にする
新築やリフォームなどの際、一般的な戸建住宅の場合、ベランダやバルコニーを取り入れるプランは多くみられます。プランニングの際には、ベランダやバルコニーがなぜ必要なのか、使用する目的や方法などを整理しておくことが大切でしょう。洗濯物を干したいのか、もうひとつのリビングとしてくつろぎのスペースとしたいのか、ガーデニングを楽しみたいのか、また外観デザインのポイントとしてなど、希望がある場合は、事前に設計者に伝えておくようにしましょう。
外観のポイントともなる手すりのデザイン。フェンスなどのエクステリアと同時に検討したい。[ルシアス ハンドレール 床支持タイプ スリム手すり たて格子] YKKAP
Point2 住まい全体で検討する
プランニングを進める中では、住まい全体で検討することがとても重要。たとえば、洗濯物を干すために設けたのに、洗濯機からの動線が長かったり複雑では、使わなくなってしまうこともあるでしょう。子供部屋を通り抜けないと行けないベランダでは、利用方法も限られてしまうかもしれません。屋内空間からのつながりや動線など、使用目的に適しているか確認することがポイントです。また、外観にも大きく影響するので、室内側からだけでなく外側からのデザインにも配慮したいもの。窓の位置や形状など、トータルに考えるようにしましょう。
Point3 使い勝手やプランに合わせて、屋根の有無やデザインを決める
使用方法にあわせて適する屋根や手すり形状をプランニングしたい。 [バルコニー ビューステージ Hスタイル 横格子ルーバー クリエダーク] LIXIL
ベランダは、外に張り出した屋根のあるスペースのことで、形状や広さなどにもよりますが、雨の日でも過ごすことができますし、洗濯物を干すことも可能でしょう。バルコニーは、屋根のない開放的なスペースのこと。庭のような感覚で、外とのつながりを楽しむことができるでしょう。(ベランダとバルコニーの表現は、曖昧なケースもあるので、屋根の有無などは、しっかりと図面で確認することも大切です)
住宅のデザインによっては、下の階の屋根を兼ねたルーフバルコニーを設けることも可能。広さが確保できることが多いため、さまざまな使い方が考えられるでしょう。また、サービスバルコニーと呼ばれるのが、2階(3階)のキッチンから使用でき、ゴミ箱などを置いて おくことができる、比較的小さめのスペースのこと。二世帯住宅であったり、2階にLDKのある場合などでは、使い勝手のいいスペースとなるものです。
Point4 室内への通風や採光に配慮する
プランニングの際には、通風や採光にも気をつけたいポイント。適した形状のベランダやバルコニーとしないと、室内への通風や採光が妨げられてしまうケースも。湿気が溜まってしまう原因になることもあります。通風を確保するためには、たとえば、横や縦格子、スリットのある手すりを選んだり、通風用の小窓を設けるなどして、風を遮らないこと。明るさを得るためには、光を通す手すり面材を選ぶといいでしょう。
また、ベランダやバルコニーを設けたことで、階下の部屋が暗く、風通しが悪くならないような配慮も必要です。階下への採光や通風を確保するために、スリットのある床材を選ぶものひとつの方法です。
Point5 くつろぎのスペースとしたいのであれば室内とのつながりを重視
床材をウッドデッキタイプとすることで、居心地のよさもアップする。 [バルコニー用 リウッドデッキ 200 戸建住宅2階テラス FD/エルビュート ハンドレール 二辺支持 マットタイプ H2] YKK AP
特に、2階リビングの場合などでは、リビングやダイニング空間と一体化させた屋外スペースを設けることで、空間的な広がりとともに、さまざまな場面で有効活用することも。椅子やテーブルを置くことができるような広さを確保し、広々と開け放つことができるような形状の窓を取り入れれば、使い勝手も高まります。室内の床と段差ができないようにすれば、より広がりのある空間も生まれるでしょう。
Point6 使い勝手を高めるアイテムを取り入れる
ベランダやバルコニーでの作業や使用方法に合わせて、使い勝手を高める機器やアイテムを取り入れることも検討したいもの。たとえば、洗濯物を干すのであれば、物干しを。収納式のタイプであれば、使わない時は折りたたんでおくことができるので、空間を有効活用できるでしょう。また、スペースにゆとりがあるのであれば、スロップシンクを設けても。運動靴を洗ったり、ガーデニングなどでも使い勝手がいいでしょう。
プライバシーを守るパーティション、夏場の強い日差しを遮るオーニングなどを取り入れて快適なスペースに。[バルコニー ビューステージ Hスタイル 横格子ルーバーハイパーティション クリエダーク] LIXIL
Point7 オーニングやシェードなどで快適さを高める
夏場の強い陽射しを遮りたいのであれば、オーニングやシェードなど日除けを設置しておくのもいいでしょう。オーニングは、巻き取りパイプに布を取り付け、季節や時間ごとの日差しに合わせて出し入れし、直射日光を調整するもの。アームが伸縮して布を水平方向に張り出すタイプだけでなく、垂直方向に開閉可能なスクリーンを組み合わせることができるタイプなどもみられます。手動タイプや電動タイプもあるので、使い方に合わせて選ぶことが可能です。また、オーニングと同様に生地を使用するなどした、外付のスクリーン(シェード)商品も多くみられるようになりました。簾(すだれ)やよしずのような効果を得ることが可能です。
また、夜間にも利用したいのであれば、照明器具もプランニングしておきたいもの。明るさを確保するという実用的な面だけでなく、外壁をライトアップすることで外まわりの印象に変化を生み出したり、鉢植えなどを照らすことで部屋の中からも楽しむことができるでしょう。
Point8 防犯性や安全性なども充分に配慮を
ベランダやバルコニーを設ける場合は、敷地の条件や周辺環境にもよりますが、防犯性にも配慮することも大切なポイントです。侵入者の隠れ場所とならないような、気配のわかる手すり、見通しのいいデザインを選び、死角をつくらないようにすること。プランニングにもよりますが、2階に設置する場合は、足がかりになるような柱を設けないタイプの方が、防犯的には安心でしょう。また、人を感知するセンサー付きの照明の設置を検討してもいいでしょう。その他、小さなお子さんがいるご家庭では、安全面への配慮も忘れずに。手すりの形状、床面の滑りやすさなど、設計担当者に確認しておくことが大切です。
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