サービスヤードとは、勝手口周辺に設けられる屋外スペース
洗濯物干しスペースと家事作業などができるスペースを確保して。一時保管の場所としても使いやすい。[サンフィール3 テラス囲い スタンダードタイプ 床納まり フラット型 屋根ふき材:ポリカ (トーメイマット) 部分囲い:側面 H2] YKK AP
サービスヤードとは、勝手まわりの庭のこと。一般的に、キッチンや勝手口の周辺に設けられる屋外スペースを指します。洗濯や物干し場、ゴミの一時置き場や屋外用品の収納などとして使われる場所で、主に家事に関わる物の収納や作業をするスペースです。一時保管場所、収納スペースとしてストックヤードなどと呼ばれることもあります。
サービスヤードと意識しなくても、勝手口の脇スペースに、収集日までのゴミを置いておいたり、庭の掃除用具などを収納するような物置を設置している方も多いかもしれません。しかし、空間があっても、裏庭スペースというイメージから、ただゴミ箱や物置を置くだけで、上手に活用されていないケースも多くみられるようです。
メリットは、家事効率や日々暮らしの使い勝手がアップすること
勝手口付近にデッキと屋根を設けることで、日々の使い勝手も高まる。 [アウタールーフ 正面デザインパネル 7型 外観 MM H2] YKK AP
新築やリフォームの際には、家事のしやすさに配慮することは重要なポイントのひとつ。しかし、日常の細かな使い勝手まで、なかなか思い描けず、暮らしを始めてから、ちょっとした不便さや小さな不満を感じることもあるようです。
特に、洗濯物干し場やゴミの一時保管、ガーデニング用品の収納、ショッピングカートや三輪車、ペット用品の置き場など、事前に思い至らず、確保できないことも多く、室内外が雑多な印象になってしまうケースも。これら細かな使い勝手の悪さは、裏方空間であるサービスヤードを確保しておくことで、解決できる場合もあるでしょう。
サービスヤードのプランニングのポイント
新築の際には、エクステリアプランはどうしても後まわしになりがち。特に裏方スペースは、じっくりと検討することも難しいかもしれませんが、事前に考え、スペースを確保しておくことで、暮らしやすさはアップするものです。■間取りプランと同時に。家事動線を考慮する
勝手口から行き来しやすく、庭への動線も確保。自転車の置き場にもなるので、雨の日も安心。 [ストックヤード2 ドア付きセットL 内観説明用 H2] YKK AP
サービスヤードのプランニングは、家事動線に配慮することが基本。新しい住まいでは、どのような動き方をするのか、間取り上でイメージすることが大切でしょう。勝手口やキッチン周辺などからの行き来、門扉やカーポート、庭からの距離など、建物の配置や間取りプランと同時に検討することが大切です。
■目的に合わせた広さを確保する
確保したいスペースの広さは、収納するものや一時保管するものなどの種類や数量、洗濯物干し場を設けるか、庭の作業などを行うか、など、使用目的によって異なるもの。日常の暮らしをイメージして、必要な空間を確保するようにしましょう。
■プライバシー確保にも配慮する
サービスヤードは、敷地の裏手に設けるケースが多いため、隣家や周辺道路から接してしまうケースも。プライバシー保護のため、洗濯物やゴミ箱など、周囲から直接見えないような配慮することも必要でしょう。
■暮らしに合わせ、半屋外・土間スペースなどに設けても
屋内にさまざまな用途に利用できる土間スペースを設けても。屋外との行き来もしやすい引き戸タイプの扉やスロップシンクも使い勝手がいい。[TOSTEM アルミ樹脂複合タイプ 土間納まり 内観 クリエペールP] LIXIL
裏方のスペースは、作業内容や収納するものによっては、必ずしも屋外でなくてもいいかもしれません。半屋外のような空間とすることも考えられますし、テラスを囲うようなプランであったり、屋内に土間スペースを取り入れてもいいでしょう。
■2階にキッチンがある場合はサービスバルコニーを
1階ではなく上階にキッチンを配したプランの場合は、キッチンから出ることのできるサービスバルコニーを設けておくという方法も。ゴミの仮置き場、根菜類など簡単な収納スペースがあると便利でしょう。
サービスヤードにあると便利な設備・建材アイテム
勝手口から行き来できるスペースと部屋から行き来できるスペースを確保。多様な用途に用いることができる。[サニージュ 部分囲い(1階)] LIXIL
スペースを確保できたら、使い方や作業内容、収納物に合わせて、必要な設備機器や建材を設置しておくと使い勝手も高まります。水栓やコンセントなど、庭やカーポートでも設置したいアイテムは、共有するのか、それぞれで設置するのか、全体のプランに合わせて検討するようにしましょう。
■屋根 洗濯物干しや自転車置き場とする場合に
洗濯物を干したり、自転車を置くのであれば、設置しておくと重宝するものです。建物本体としてプランニングしてもいいですし、後付けタイプの商品でも。太陽光を通す屋根材であれば、明るさを確保でき、洗濯物も乾きやすいでしょう。
■物干しスペース・物干しバー 掃除用具やペット用品を乾かす場所としても
洗濯物干し場は別にあり、通常は用いないとしても、急に雨の際に必要になることも。雑巾やペット用品などを乾かす場としても便利です。
■水栓・シンク ガーデニングやカー用品などのお手入れに
屋外作業用の水栓やシンクも便利なアイテム。スポーツ用品やペット用品、カー用品、泥付きの野菜などを洗う際にも使い勝手がいいでしょう。
■コンセント DIYなどの作業にも便利
日曜大工やガーデニングなどで電気機器を用いる場合に。設置位置は他の作業などを考慮して決めるようにしましょう。
プライバシーに配慮しつつ、明るさも確保できるように工夫したい。[スピーネストックヤード シャイングレー] LIXIL
作業内容にもよりますが、勝手口用の照明で暗いようであれば、別途取り付ければ防犯にもなります。
■収納スペース 季節モノなど収納するものに合わせて
収納する物に合わせた棚を設置するか、空間の確保を。冬場に植物の一時避難場所、簾の保管場所など、季節ごとに必要なスペースも考えておきましょう。
■作業スペース 作業台などがあると使い勝手もよい
日曜大工やガーデニングには、作業台があると便利です。スペースにゆとりがあれば、設けておくと作業もはかどります。
■目隠し・パーテーション 近隣からの視線を遮りプライバシーを確保
プライベートな作業を行ったり、雑多な物が置かれたりするので、近隣からの視線を遮り、隣家からの眺めも害さないような目隠しやパーテーションを設置しておきたいものです。
すっきりとした住まいを実現するため必要な裏方スペース
家事のしやすい住まいをつくるためには、キッチンやパントリー、ユーティリティスペースなどにも十分に配慮することが大切ですが、使いやすい裏方スペースを屋外に設けることで、すっきりとした心地よい暮らしが実現できるケースもあるものです。新築やリフォームの際には、ライフスタイルや敷地条件に合わせたサービスヤードを検討してみてはいかがでしょうか。【関連記事】
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