環境負荷が少ないこと、エネルギー源が無尽蔵であることなどから、新築やリフォームの際には、太陽光発電システムを取り入れたいと、希望する方も増えてきています。住宅設備機器としても、多くのメーカーから提案され、ハウスメーカーでは、標準搭載されている住宅商品も。ここでは、太陽光発電システムを選ぶ前に、知っておきたい基礎知識と注意点をまとめました。

[写真協力] LIXIL 

太陽のエネルギーを電気に変換

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少ない日差しでも力強く発電することができる275Wの高い発電量の単結晶・低照度セルを採用  [屋根一体型 太陽光発電システム「ソーラールーフ Aタイプ」]

太陽光発電システムとは、簡単にいうと、太陽の光というエネルギーから、家庭で使える電気を作り出すシステムのこと。基本的には、太陽電池モジュール、接続箱、パワーコンディショナ、分電盤、電力量計(売電用・買電用)から構成されます。

屋根に設置した太陽電池モジュールで太陽光エネルギーを電気に変換、発電した直流電力を接続箱で統合し、パワーコンディショナにより家庭で用いる交流電力 に変換。分電盤で住宅内で使用する電気を分配します。余った電気は電力会社に売却することができ、雨の日や夜間など電力が足りない場合は通常のように電力会社から電気を購入するため、電力量計は売電用と買電用の2種類が必要に。

太陽電池の種類としては、シリコン系や化合物半導体系などがありますが、住宅用として多く使用されているのは、シリコン系太陽電池。単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどがあります。

効率を高めた太陽電池モジュール

住宅用太陽電池発電システムのモジュールには、寄棟や切妻、陸屋根などの屋根形状や屋根の素材などによって、さまざまな商品や施工方法が揃っています。

モジュールの効率を高めるとともに、小型化や軽量化などによって、どんな屋根形状でも、狭小敷地に建つ住宅などでも対応することが可能なタイプも。限られたスペースでも効率のよい太陽電池や異なる形状のモジュールを組み合わせることで、屋根への搭載量を増やし発電量を確保することが可能です。また、太陽電池と屋根材を一体化させたタイプであれば、その分の屋根材が不要になりコスト削減も図れ、外観もすっきりするというメリットもあるでしょう。

その他、住宅の屋根だけでなく、カーポートの屋根を利用する製品もみられます。住宅本体の美観を損なわないこと、比較的、施工やメンテナンスが楽にできるのが特徴です。

発電状況などを確認しやすいモニターも

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発電状況やCO2の削減量などをわかりやすく表示 [カラーモニター]

最近は、発電状況のわかるモニター機能に工夫を凝らしたものが多くみられます。発電した電力と消費した電力がリアルに表示されたり、電気の使いすぎを知らせたり、パソコンでデータを管理することができたりと、楽しみながら節約を意識できるような機能が搭載されています。

「数値で表されることで、節約の意識が高まった」「無駄な電気を使わなくなった」「子供がエネルギーに興味を持った」などの声も聞かれ、太陽光発電システムは、暮らし方にも変化を与える設備機器のひとつなのかもしれません。

非常時にも利用可能

太陽光発電システムは、停電時でも天気の良い昼間であれば、自立運転機能によって電気を利用することが可能。利用できる電力は、携帯電話の充電や小型のラジオやテレビ程度といわれていますが、災害時の情報把握や連絡などができるのは安心でしょう。

その他、屋根に太陽電池モジュールを設置することで、屋根の温度上昇を防ぐメリットも。室内の温度上昇を防ぎ、冷暖房費の節約にもつながり、より環境に配慮した暮らしができます。

低価格化、自治体による補助金制度も

太陽光発電システムを扱うメーカーも、増加したことなどから、商品価格は低下傾向にあるようです。屋根形状や設置面積などにもよりますが、おおよそ1kWあたり 40~50万円程度。最近ではより多くのエネルギーを生み出す商品もありますが、たとえば戸建て住宅で4kW程度とすると、設置費用総額は150~200万円前後が目安でしょう。

設置には、地方自治体よって補助金制度を設けているところもありますが、それぞれ補助金額、条件や募集期間なども異なりますので、事前に関連部署への確認を。その他、金融機関では、優遇金利の「ソーラーローン」を用意しているところも。必要な場合は、早めに検討するようにしましょう。

プランニングは慎重に

太陽光発電システムは、晴天に比べ曇や雨の日には発電量は減りますし、モジュール上に雪が積もると発電することはできません。プランニングの際に大切なのは、設置する場所の向きや周辺環境も含めた立地を考慮すること。たとえば、南面に設置することができる屋根があるか、周辺の建物や樹木などの陰にならないか、現在だけでなく将来的な変化も考え、プランニングすることが大切です。

施工を依頼する際には、見積書はもちろんシミュレーション表(試算表)を比較すること。電力の買い取り等、制度の変更などにも注意も必要ですが、どの程度の発電が見込めるのか、電気代がどのくらい安くなるのか、売電できるのかなど、確認することが重要です。

また、リフォームの際には、既存の建物にモジュールを設置することが可能か、構造面でのチェックも大切。補強工事が必要となるケースもあるのでしっかりと した調査を実施し、屋根への固定方法など、屋根形状や屋根材に応じて適切な工事を行うことができる施工会社を選ぶようにしましょう。

いずれにしても、機器一式、 設置架台、電気・設置工事費、諸申請などの費用が必要ですし、検討する場合は、早めに見積もりを出してもらうようにしましょう。

保証期間やメンテナンス体制の確認を

商品を選ぶ際に注意したいのが、保証期間やアフターメンテナンス。コンディショナなどモジュール以外の機器や工事の保証期間もチェックが必要です。無料保証とは、どこまでの範囲が含まれるのか、定期点検の費用、日々のお手入れ方法なども合わせて確認しておきましょう。

最新の商品やシステムを実際にショールームやモデルハウスなどで確認することも大切ですし、分譲住宅でも取り入れられている物件も増えていますので、具体的なプランとして参考にしてみてもいいでしょう。


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