□ 高断熱と高気密
高断熱、高気密(北海道並み)にすることで暖冷房エネルギーは約半分にすることができます。具体的には、断熱材を厚くすることや開口部を三重サッシ・複層ガラス・木製サッシにすることが挙げられます(高断熱化)。さらに、構造上つくるうえでできる隙間を気密シートで張りめぐらしたり、テープなどで塞いでしまいます(高気密化)。構造や開口部を断熱した上でこの処理をすれば、隙間から出入りする熱も抑えられます。その基準は一般に「隙間相当面積が1平方メートル当たり5平方センチメートル以下」です。しかし、ここで注意しなければならないのが「換気」と「通風」です。
□ 先ずは通風計画!
高断熱、高気密といえば冬を想定して考えてしまいがちですが、他の季節の空気の循環にも配慮しなければなりません。日本の季節は「四季」ですが、家づくりでは春・梅雨・夏・秋・冬の「五季」で考えることが大切です。一つの季節だけを想定した家づくりをしてしまうと、思わぬカビや白ありの発生につながってしまいます。昨今は、冬の寒さ対策を意識した高断熱、高気密ばかりが一人歩きしてしまっているように感じます。日本においては先ず、通風を考えてから、次に高断熱、高気密を考えるという順番が重要なのです。
間取りを考える際、人の動線はもとより空気の動線も図面に書き込むとより把握しやすくなると思います。なお通風は必ず入口と出口がなければ風は通らないので注意して下さい!
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