一般的に特産品の開発は、町村の役場とその住民の皆さん、それに専門コンサルタントが加わった三者によって進められます。
まずは「宝探しシート」といったアンケート用紙が住民の皆さんに配られ、おおよその商品化したい素材をピックアップします。
「毎年台風で落ちるミカンがもったいない」「村の湧水は甘味があって美味しい」「お爺ちゃんの手編みの竹カゴ」「主婦がグループで郷土料理を勉強している」など。そこに生活している人しか気が付かない、思いがけないものが候補に上がってきます。

これを持ち寄り全員が集まって会議が開催されます。場所はたいてい、村の公民館。時間はだいたい、全員の仕事が終わった頃の時間。夕闇せまる頃、ぽつぽつと集まってきます。畳敷きに折り畳みのテーブル、座ぶとんにあぐら。ボランティアの主婦によるお茶が全員に行き渡った頃、議長による開始の挨拶があり、特産品開発会議がゆったりと、しかし真剣に始まるわけです。

こうした集会を2~3回ほど続け、会議特有の硬さもほぐれ普段着の会話が飛び交うようになったところで、食品の特産品開発の場合、地場素材を使った「恐怖」の試食会が催されます。
なにゆえ恐怖か。作るのは腕に自信の主婦たちですが、テーブルに居並ぶのは猪鍋・手作りぼたもち・アユの燻製・芋かりんとう・地酒といった、人間の味覚の限界に挑むオールスター(ミス)キャスト。一通りの試食がすんだ頃には満腹感(!?)に浸っております。中には試食をあきらめ、地酒で宴会を始めているツワモノ達もちらほら。

さて、試食のステップも終わり数点の候補作が決まると、次はパッケージのデザインを検討します。ここからコンサルタントの本格的な出番です。住民の皆さんの意向を汲みつつ、都市部の消費者にどうアピールするか。

「特産の和紙で包む」「版画の田舎風景を全面に」「生産者の顔写真とメッセージを載せる」「商品名を筆文字で大胆に」等々を検討し、パッケージデザイナーによる世界に一つしかない作品が並べられます。わが町村の新特産品の具体的な顔の登場に、会議場は熱気でおおわれます。腕を組んで考え込む人。手に取って微笑む人。輪になって真剣に討論を始める人・・・。特産品の開発で一番エキサイティングな瞬間です。

ケンケンガクガクの末、遂に商品化する特産品が決定!会議場は自然の成りゆきで宴会場へと変身します。「先生」と呼ばれていたコンサルタントもすでにただの酔っ払い。すすめ上手の住民たちのお酌の嵐の結果です。
「あいつも呼ぼう」「同級生の意見を聞こう」と知らぬ間に酒宴のメンバーは増え、持ち込みの郷土料理があり、肩叩きあって。こうして田舎の夜はふけていく・・・。

どうです、こんな田舎暮し。仲間に入りたいと思いませんか?田舎に住むということは、そこのコミュニティの中に入るということです。人々が集うこうした催しに積極的に参加しましょう。一挙に顔見知りになることができるし地域の隠れた魅力や習慣も理解でき、おまけに酒も強くなります(笑)。
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