田舎暮らし/田舎暮らし・スローライフ情報

田舎を楽しむ72の流儀:5月(3ページ目)

五月は菖蒲月、早苗月、狭雲月、田草月とも呼ばれ大地に色が溢れる時季。忙しさに追われて折々の自然の楽しみ忘れていませんか?詩、動植物、旬の食べ物があなたを季節の喜びに誘います。

堀江 康敬

執筆者:堀江 康敬

田舎暮らしガイド

*たけのこしょうず

タケノコの走り物が店先に並べられる時季。「筍はお湯を沸かしてから、堀りに行け」と言うぐらいに、掘ったらすぐに米ぬかで茹でないと、硬くなってしまうんだね。美味しさの旬は一週間ぐらいか?辛子酢みそ和えに木の芽和え、田楽、タケノコご飯と季節の味をトコトン味わおう。
■ほっくりと筍届く山匂う(相原弘子)
■ひさびさに戻れば筍によきによき(種田山頭火)

【時候】夏浅し(なつあさし)
山あいには若葉がしげり、草木が色づき、自然の恵みを存分に味わえる時季ですね。この頃から万象全て爽快な夏の姿になっていきます。夏の訪れを告げるこの頃を、夏めく、首夏、夏兆す、夏立つ、若夏とも。
■寺の鶏鳴いて漁港の夏浅し(木村蕪城)
■夏立つや残るは黄なる花一つ(佐藤春夫)

*かいこおきてくわをくらう

あの美しい絹糸を取るため育てられる蚕が、桑の葉を食べる発育期に入る時季。桑の葉の栄養価は高く、ゴマ粒ほどの卵から生まれた1ミリ内外の小虫が、僅か3週間位で指の太さほどに成長します。何と体重は10,000倍に!
■子を守り蚕も守りて雨篭る(渡辺淑子)
■妻と二人夜中に起きてしみじみと 弱き蚕に桑くれにけり(結白哀草果)

【味】伊佐幾(いさき)
「梅雨イサキ」といわれ、この頃の抱卵している時季が美味いとされていますね。背びれが鶏のトサカによく似ているので「鶏魚」とも書きます。身は薄い色で、肉質は柔らかいので、塩焼き、バター焼き、中華などでご賞味ください。
■いさき食ふ海に六分の入陽かな(榎本好宏)
■いさき焼く上品の身の焦がさずに(鎌田治子)

*べにばなさく

原産地のエジプト・地中海沿岸からシルクロードを経て、飛鳥時代に渡来したとか。古名を末摘花(すえつみばな)、紅藍(べにあい)、久礼奈為(くれない)とも呼ばれ、この時季いっせいに花開きます。紅色は染料や口紅に、種子から食用油に、油の煤(スス)は墨にと、捨てるとこ無しの美しくも実用的な花です。
■紅花をもて一日を装へり(渡辺淑子)
■行くすゑは誰が肌ふれん紅の花(芭蕉誤伝?)
*紅花染めを体験したい人はココで>>●山形の紅花

【味】莢豌豆(さやえんどう)
初夏から旬に入る生ビールの最強パートナー。摘みたての莢豌豆のほのかに甘みが上品だね。料理のコツは青みを保つために茹ですぎないこと。二つに折るとポキッという位でね。ところで、若いうちに丸ごと食べる莢豌豆(絹莢ってやつ)→中の豆が大きくなったのをグリーンピース→さらに熟して黄色になったのがエンドウ豆→完熟・乾燥した種子が雑穀となるんだそうだ。知ってた?
■煮えたぎる鍋の火すこし細めればきゅいと鳴きをり莢豌豆は(水須ゆき子)
■酒よろしさやえんどうの味もよし(上村占魚)

他の月も見てみる?
11月/屋台で焼き牡蠣の雪待月
12月/熊が穴に隠れる梅初月
1月/芹が美味しい初春月
2月/梅にウグイスの木芽月
3月/花を楽しむ花飛月
4月/雁に別れの花残月

次回は六月【涼暮月】お楽しみに!
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