田舎暮らし/田舎暮らし・スローライフ情報

女房の説得から始まる田舎暮らし(2ページ目)

田舎暮らしガイドがチャレンジした「私のプロジェクトX/移住版」。 田舎に住むぞ!と宣言してから海辺への引越しまで、七転び八起きの5年間の体験をご紹介。

堀江 康敬

執筆者:堀江 康敬

田舎暮らしガイド

ステップ.4/具体的なアクションを開始
焦ってはならぬ、と二人で別行動をとることに。女房は土地探しの拠点となる実家に移り、早速、田舎暮らしには欠かせない車の教習所へ。旦那は都市部のアパートで仕事をしながら単身赴任です。私が「エスニック・アパート」と命名したこの超低家賃のアパートは凄かった。雨の日は廊下が水浸しで部屋の前まで飛石のレンガが置いてあり、深夜帰宅するとエレベーターの中に自転車を担いだ巨大な外国人が仁王立ちしており、アジアの留学生たちが毎晩宴会を開いており、窓下の通りでは明け方まで暴走族が走り回る。でもね、ちっとも気にしない。私は、夢に向かって走っている。
ポイント:
*田舎暮らし実現のためには家族全員がチームとなる。家族で役割分担し、それぞれの立場から意見を交換する。

ステップ5/候補地を絞り込む
さて、いよいよ女房の田舎探しラリーの開始です。農家の庭に突っ込む、林道に迷いこむ、山道でエンストする。初心者マークの中古車フェスティバが向かうところ敵無しで、海岸線を突っ走ります。私はといえば、単身赴任でカップヌードル三昧。「田舎はまだか!」と待ち焦がれる私に彼女から連絡が入ると、週末に現地で落ち合います。「う~む、景色は良いが海に遠いなぁ」「交通は便利だが土地代が高すぎる」「隣近所が多すぎる」何れも、帯に短し襷(タスキ)に長しです。これが3年間。
ポイント:
*不動産業者だけでなく、行政の定住促進、不動産取得優遇制度など支援策もチェック。
*ココだ!という時のために、土地・建物の購入、賃貸に関わらず契約の準備をしておく。良い物件程ライバルが多い。


ステップ.6/新しい故郷の決定
その日、女房が突然私のアパートを訪ねてきました。ピッカピカのヘアスタイルと、取って置きのワンピース。表情もキラキラしています。「とうとう見つけたもんね!ココっしか無いから!!絶対、気に入るから!!!」舞い上がっています。
翌日、強引に休みをとって二人で現地へ。アパートから車で走ること約2時間後。まず国道からガードを潜って町道へ、両側に田んぼの農道を過ぎ、小さな舟溜まりへ、海の匂いがしてきます。坂道の突き当たりを折れて未舗装のクネクネした細道をゆっくりと。見えた!海を背景に蜜柑畑が拡がっています。海に向かってゆったりとカーブしながら下る道・・・着きました。エンジンを止めて下り立つと、目の前に拡がる180度の海のパノラマ。聞こえてくるのは波と海風の音ばかり。湖のような静かな、清々しい、麗らかな海がキラキラと輝きながら「どうだ、此処が気に入ったか?」とばかりに、語りかけてきます。
私は心の中で呟きます「この田舎、他人には絶対渡せねェ」。3年間に渡る彼女のダート・トライアルが終了しました。
ポイント:
*諦めるな、あなたを待っている田舎がきっとある。理想の土地探しに妥協はするな。

【次回予告】移住体験談Vol.2は「田舎と遊べる家造り」
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