アール・デコの名建築 東京都庭園美術館
※東京都庭園美術館はリニューアルのため2013年まで休館中です。日本の代表的なアール・デコ建築として名高い東京都庭園美術館
そのルーツは「宮家の邸宅」。アール・デコ様式の美術館
JR目黒駅、東京メトロ白金台駅からほど近い東京都庭園美術館は日本でも珍しい「アール・デコ」様式の建物。宮家である朝香宮ご夫妻邸宅を改装し開館した美術館です。美術館に足を踏み入れて最初に目にするのは、エントランス一面に飾られているルネ・ラリック作のガラスレリーフ扉。2009年に生誕150周年を迎え、現在も人気を誇るアール・デコを代表するガラス工芸家の作品です。
エントランスのルネ・ラリックによるガラスレリーフ扉
「アール・デコ」とは、1920年代から30年代にかけて大流行したデザイン様式。1925年にパリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会(Exposition Internationale des Arts Decoratifs et Industriels modernes)」の「Arts Decoratifs」の略称に由来します。
当時のヨーロッパは第一次世界大戦が終わり、アジアやアフリカなど、世界各国の民俗美術と、フォービズム、キュビズムなどの美術様式など、常に新しいアートが生まれて、熱気に満ちていました。アール・デコは、そんな最先端の美術のエッセンスが混ざり合って生まれたデザイン様式。朝香宮ご夫妻は滞在中のフランスで、アール・デコに強い興味を持たれたのだそう。
フランスから帰国された朝香宮ご夫妻の邸宅づくりのため、内外の一流のスタッフたちが集結しました。特にフランス人デザイナー、アンリ・ラパンによる内装は、竣工した1933年当時の流行最先端のもの。また、美術に造詣の深かった朝香宮妃殿下は、自らもラジエーターグリルなどの図案を描かれ、1階は社交場として華やかに、2階は家族団らんの場として使用していたそう。
セーブルで作られた、巨大な陶器のオブジェ