木炭や豆炭を燃料とする調理用の炉ですね。昔は町内の庭や軒先きで、魚を焼いている風景をよく見かけたものです。現在では煙りが出る、臭いがするとやや敬遠されぎみですが、田舎で使う分にはその辺の気遣いは心配無用。今回は、田舎暮らしの必須アイテム「七輪」の魅力をご紹介します。
↓田舎でやりたい!シリーズ バックナンバー↓
【第1回】田舎暮らし/田舎でやりたい!~野鳥の来る庭づくり
【第2回】田舎でやりたい!~焚き火の達人になる
【第3回】田舎でやりたい!~犬と一緒に暮らす
【第4回】七輪で炭火焼料理を堪能
七つの顔を持つ七輪
七輪の英語訳には、charcoal stove/hot plate / portable clay cooking stoveなどとあります。語源を調べてみると、物を煮るのに価七厘の炭で足りる意味からという説もありました。また、カセットコンロなどによってその役割りを終えつつありますが、木切れなども燃料に使えるため現在でも防災用に七輪の準備がある地域防災倉庫が多く見られます。
エコロジーの面ではどうか。木炭を使用することで、乾燥させた木を直接燃やすよりも遥かに燃料効率が優れています。森林の乱伐採を防ぐため木炭の使用が推賞される発展途上国もあり、日本から炭焼きの技術と一緒に七輪の製造技術の普及に勤めているボランティア団体も出てきています。
安価でコンパクト、暖房器であり、調理器でもあり、サバイバルグッズでもあり、おまけに地球にも優しい七輪。正しく、田舎暮らしにピッタリの「モバイル熱源」ですね。
用途別七輪の選び方
七輪の形状は、主に機能面を重視してデザインされています。もちろん、視覚的な好みも重要ですが、まず機能を知ることが大切。・昔ながらの「ラッパ型七輪」/日本の生活を支えた七輪の傑作で、煮炊き物重視型です。煙突効果(上昇気流)により対流熱が中央部に集中してあたり、鍋やヤカンの湯を効率よく沸かすことができます。
もちろん焼き物もできますが、焼き面が小さいので、長いもの、大きいものを焼くにはちょっと不向きです。何といっても少量の木炭で煮炊きできる優れモノです。
・焼き物を重視した「平型七輪」/木炭が平面的に広がる形で、焼き面を広くしたもの。木炭や七輪の側壁からでる赤外線の輻射熱を主体に焼き上げます。
小さな七輪でも大きな焼き面を持ち、また七輪が低く収まって卓上でも使いやすくなっています。ただし、炎が集中せず対流熱が分散してしまうので、湯を沸かす能力は劣ります。
・アウトドアに最適な七輪/直火が使えないキャンプ場でも七輪ならOK。昔ながらの形状、頑丈なつくりで、焼きもの、煮炊きも兼用でき、フライパン等の使用もできる万能タイプです。オプションで、クッション付きの椅子にもなる運搬に便利な七輪ケースもあります。
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炭火料理の楽しみ火おこし
・熱を分散させない/火の付きかけた薪や炭を移動させると、熱が分散して火力が衰えます。薪や炭はいじりまわすと消えてしまうので、火元は分散させず一カ所にまとめます。・空気を送る/薪も木炭も空気なしでは燃えません。なるべく隙間があくように並べます。空気道を確保することがポイント。木炭に火がつきはじめたら、とにかく扇いで空気を送ります。
・炎より熾き火(おきび)/木炭は炎より、薪が燃えた後の真っ赤な「熾き火」から移し取る方が速く着火します。細い薪をたくさん燃やして熾き火をたくさん作ることが速さの秘訣です。
・紙は燃やさない/紙は熾き火になりませんので、薪に火をつける時の最小限度にします。紙は火がついたまますぐに舞い上がり危険です。近くのテントや洗濯物を汚してしまうことも。また、調理中に紙の灰が舞い上がり食材に付着してしまいます。
・大きな炭より小さな炭/木炭は小さいほど表面積が広く、着火しやすいので、着火時はなるべく小さなものを集めること。
・むやみに顔を近づけない/火をおこす時の急激な加熱によって炭内部の木炭ガスや水蒸気が膨張し、勢いよく爆(は)ぜることがあります。むやみに顔を近づけないよう注意してください。特に外国産備長炭は強烈に爆ぜることがあるので要注意です。黒炭は樹皮がパチパチと火花を散らします。火の用心!
次は、七輪を使った美味しい炭火料理をご紹介