ワイルドに着こなすメトロハット
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メトロハットは、クラウン(帽子の上部)が丸く、ブリム(ツバ)全体が下向きのソフトタイプ。カッチリとしたシルエットを好まない人、夫婦兼用で楽しみたい人に最適です。伊達邦彦ばりに決めたい男性は、数回洗って使い込んだ表情を加えたり、丸めてポケットに突っ込むといったワイルドな使い方がオススメです。
メトロハットを被り、サングラスをかけ、くわえ煙草で……。ついつい伊達邦彦を気取りたくなりますが、それって単なるコスプレです。くれぐれも取り扱いにご注意を。
◆松田優作の着こなしを見てみる>>yusaku-matsuda.com INFORMATION
正統派ダンディズムのソフト帽
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戦前の日本では会社員はもちろん、小説家や詩人もほとんどがソフト帽を被っていたようです。そして、サザエさんの父親の波平さんも、ジュリーこと沢田研二も、黒いソフトの丹波哲郎も、紅の豚の飛行艇乗りポルコ・ロッソまで、み~んなソフト帽の愛好者でした。しかし、イチオシはやはりハンフリー・ボガートの「ボギー・スタイル」。
「カサブランカ」では、ソフト帽を斜めに被りトレンチコートの襟を立てる酒場の主人。「マルタの鷹」では、同じくソフト帽にトレンチコートでラッキー・ストライクをくゆらす私立探偵。「裸足の伯爵夫人」では、ボギー最後のトレンチコート着用といわれる映画監督、等々。このトレンチとソフト帽の組合せこそ、ハードボイルドに生きる男たちのダンディズムなのです。
さて問題は、田舎暮らしでソフト帽を被る機会があるのかということ。女房に向って「君の瞳に乾杯」なんて言えますか?ズバリ!夫婦旅に携行しましょう。ローラーハットと呼ばれるソフト帽は、クルクル丸めてポケットやカバンに収まります。旅先でブラリと街歩きをしたい時や、ちょっとフォーマルなレストランで食事をしたい時などに重宝します。
夏の定番のパナマ帽
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前述のボギー・スタイルではちょっとキメ過ぎで扱いにくい、と思っている人はコレをどうぞ。麻やコットン素材のジャケットやポロシャツ等と組み合せると、力まないカジュアルな着こなしが楽しめます。
寛いだファッションにはパナマ帽が良き相棒であり、数世紀の間、型を変えていないクラシックなスタイルは、猛暑の夏の良き味方でもあります。庭での読書タイムや愛犬との散歩時に被れば、今までよりリラックス感たっぷりの田舎時間を感じることができるはずです。
◆パナマ帽のバリエーションを見てみる>>夏の帽子 from 文二郎帽子店
最後に、帽子屋さんによるアドバイス。まず数多く被ってみることが重要。どんな帽子でも最初に被って鏡を見た時には、必ず違和感があるのは当然。しかし、帽子も服と同じで着こなせるものだから、勇気を持ってファーストインプレッションで買ってください。ファッションの仕上げは、帽子で完成します。
次回の田舎暮らしのダンディズムは、ガイドも実践中の無精ヒゲからカイゼルヒゲまで……「髭(ヒゲ)」にこだわる予定です。
関連サイト
◆メンズファッションの王道スタイルはココで>>[メンズファッション]All About
*写真提供:EyesPic