我らの世代を席巻したファッションVAN創業者、石津謙介氏曰く「ダンディズムとは独りよがりとやせ我慢のことである」と。他人が見たらどうでもいいことだったり、自分だけのためにちょっとだけ一点豪華主義を持ち込んだりと、まぁトリビアなこだわりですね。自分が選んだ好きな地域に住み、好きなファッションを選び、好きなものを食べる。これぞ田舎暮らしの理想のスタイルじゃないでしょうか。
本シリーズは、自ら信じる道を行くならば、百万人とて我行かんの男性専科。淑女の皆様、どうぞお見逃しを。
さて、今回は「髭」にこだわりますぞ。
髭こそ男の子(おのこ)のこだわり
髭のスタイルは、その生える場所や生え方によって、口髭・顎髭・頬髭のようなポピュラーなものから無精髭まで、多くの呼び名が存在します。また漢字では、髭(し)は口ひげ、鬚(しゅ)は顎ひげ、髯(ぜん)は頬ひげ、と生えている部分によって区分されています。口と顎と頬の髭、そしてそれを組み合わせるバリエーション。古来より男たちは、髭を自分の分身とも考えてこだわっていたんじゃないでしょうか。
会社勤めの頃は、クリエイティブ関係など一部の職業を除いて原則御法度。意を決して髭を伸ばして出社してみても、「顔色悪いね、体調悪いんじゃない?」とか「我が社の企業風土にちょっと……」などと言われるのがオチでした。しかし、やっと勝ち取ったセカンドライフの到来。他人も気にせず、女房のクールな視線も我慢して、田舎のダンディズムにチャレンジしてみましょう。
スタイリッシュなカールおじさんのための、かこみ髭
顎髭と口髭がつながったスタイル。英語では、フル・ゴーティエ(Full Goatee)(山羊の髭という意)。男性的なイメージを保ちつつも、ファッショナブルな業界人的なイメージが欲しい人はコレ。但し、毎日のきちんと手入れをすること。怠ると、♪おらが~村のカールおじさんになってしまうのでご用心。
◆カールおじさんの髭を見てみる>>明治製菓:カールおらが村
田舎のレボルーションを夢見る、ラウンド髭
口の周り(round)に生えている髭。日本人にはあまり見かけない髭のスタイルです。キューバのカストロ議長のような鼻下から顎、もみあげにかけて伸ばしたラウンド髭を、「カストロ(Castro)」とも呼ばれています。田舎暮らしでマッチョ且つサバイバルな雰囲気を装いたい人に、この髭が効きます。顎のラインの弱い人や顔の幅の狭い人にオススメです。
◆カストロ議長の髭を見てみる>>フィデル・カストロ from Wikipedia
う~ん、ブロンソンの熱い、メキシカン髭
唇の上から横まで生やした髭。鼻の真下に隙間が開くスタイル。我らの世代では、70年代の男性化粧品のCM「う~ん、マンダム」のチャールズ・ブロンソンが近い感じか。チョイ悪オヤジが裸足で逃げ出す、強面(こわもて)オヤジ向けの武闘派髭。特に「さらば友よ」で競演のアラン・ドロンを食ってしまう、あの髭の渋さも唸らせましたな。
◆ブロンソンの髭バリエーションを見てみる>>チャールズ・ブロンソン from チラシを集めよう!(映画チラシ入門)
田舎で名探偵を装える、カイゼル髭
唇の上に生やした髭を左右を上へ跳ね上げて逆"へ"の字にしたスタイル。ドイツの皇帝ヴィルヘルム2世がこの髭を蓄えていたことから、カイゼル(ドイツ語で皇帝の意)と名付けられました。映画では灰色の脳細胞の名探偵エルキュール・ポワロなどが有名です。ピンと立たせれば、たちまち威厳あふれる理知的なオヤジに変身できますぞ。
◆ポアロの髭を見てみる>>名探偵ポアロ from NHK 海外ドラマホームページ
次は、ヒッピーオジサン向けブラビ髭です。