土地購入/土地購入関連情報

都市景観大賞受賞のまちなみ(3ページ目)

環境をとるか、利便性をとるか、物件を選択するときには悩むもの。でも都市環境が良くなればそんな悩みも不要の時代が来るかも。今年の都市景観大賞「美しいまちなみ優秀賞」を受賞した首都圏3地区をご紹介します。

執筆者:平野 雅之


鈴鹿・長宿地区 (神奈川県座間市)

小田急線 「座間」 駅から北西へ10分ほど歩いたところに鈴鹿・長宿地区がありますが、地名では入谷一丁目。鈴鹿や長宿 (ながじゅく) といった由緒ある地名は残念ながら現在では使われていません。

縄文時代の遺跡が残るほか、1200年代から1400年代にかけて建立されたという神社や仏閣なども数多く残り、かつての 「座間郷」 の中心地と考えられているのだそうです。

古代から人々が住んでいたということは水利に恵まれた地でもあったということ。 「湧水と歴史の里」 として良好なまちなみ景観を守るため平成6年度に締結された 「鈴鹿・長宿区域街づくり協定」 のもと、地区内の住民による積極的な活動が行なわれているようです。


地区の入り口にあった案内看板。一瞬 「住宅地ではないのか」 と錯覚しましたがそんなことはありませんでした。寺が数多く点在し、古くからの街であることが分かります。ちなみに 「鈴鹿・長宿」 を略して 「すずなが」 と表示する場合もあるようです。

地区内の道路に古くからある自然をうまく取り入れています。行き交う車や人も少なくひっそりとした静けさに包まれていますが、なぜか寂しい感じはなく落ち着いた生活感があります。

地区内のいたるところに沢の流れが。都会では見ることのできない光景ですが、 「湧水」 の流れるまちなみというのもイイですね。都市部ではすぐに暗渠にしてしまったり、危険だからと柵をしてしまったり・・・自然と共存する生活でそんな心配は無用なのかもしれません。

家の前の沢で遊ぶ子供。都会暮らしでは想像できない風景ですね。危ないからとやめさせるのではなく、汚れても、濡れても、ちょっとくらい怪我しても、気にせずに子供がのびのびと暮らせる環境を大切にしたいものです。

きれいな湧水に恵まれ、夏になればゲンジボタルが飛びかうのだそうです。この自然環境をいつまでも残してほしいものですね。水車はかつて盛んに行なわれていた養蚕で、動力源として使われていたものを復元したとのことです。

都市化による土地細分化の波に洗われることなく比較的広い敷地がそのまま残ったのも、良好な景観を維持できている大きな要因のようです。小さな敷地が全くないわけではありませんが、敷地のゆとりが生活のゆとり、心のゆとりにも繋がっているようです。

生産緑地地区に指定された土地でも、環境や景観に十分配慮した手入れがされています。一角には休憩のできるスペースも作られていました。

自然環境が色濃く残るこの地区の北側には米軍座間キャンプが隣接。地区内からもアメリカ国旗が見え、それまでの穏やかな感覚に異質な衝撃を与えられたようでした。キャンプ地となったエリアにも、きっと古くからの日本人の営みがあったに違いありません。




晴海アイランド トリトンスクエア地区
鈴鹿・長宿地区
おゆみ野モデル街区
過去の首都圏入賞地区一覧



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