住宅購入の費用・税金/住宅ローンのしくみと選び方

目先の住宅ローン金利に惑わされてはいけない

住宅ローンの借り入れにはさまざまな費用がつきものであり、単純に金利だけで優劣が決まるものではありません。ユーザーからメールでお寄せいただいた失敗談をもとに、住宅ローン選びで気をつけるべきポイントをご紹介します。(2015年改訂版、初出:2006年4月)

執筆者:平野 雅之


いつもオールアバウトをご覧いただいているというSさんから、メールをいただきました。

これから住宅購入を予定されているみなさまに自分たちの失敗談(不満)を知ってもらい、ぜひ参考にして欲しいとのこと。実際にどのような問題があったのかご紹介しましょう。


住宅ローンの保証料が当初見込みの2倍に!

思い悩む女性

見込み違いの大きな出費があれば、住宅の購入計画も狂ってしまう

メールにはプライベートな事情も書かれていたので、ここにそのままご紹介することはできませんが、要約すれば「保証会社へ支払う保証料がたいへん高額だった」というものです。

某地銀の住宅ローンで「3月31日までに申し込めば、10月末までの融資実行分に対して現在のキャンペーン金利を適用する」といわれ、住宅ローン金利の上昇に懸念を抱いていたSさんは急いで申し込んでしまったようです。

とはいえ、事前に第三者にも相談されており、それだけなら大きな問題はなかったでしょう。

その後、銀行の審査を受けて融資の承認を得たのですが、 2,700万円・35年返済の借り入れに対して、保証会社への一括前払い保証料が約130万円になったとのことでした。

当時、その銀行のホームページに書かれていた保証料(100万円あたりの金額)をもとに計算すれば654,453円となったので、実際にはほぼ2倍の保証料が算定されたことになります。

ちなみに、この保証料の「基本額」自体が他の都市銀行などに比べて、もともと2割ほど高く設定されていたのですが……。

その保証料が記載された欄の下のほうには、ひと回り小さな文字で「審査結果によっては別途追加保証料が必要となる場合もある」という説明がされており、Sさんの場合はこの但し書きが適用されてしまったのでしょう。なお、Sさんの年収面などではそれほど審査に不利となるような条件はなかったようです。


住宅ローンの審査の内容は分からない

住宅ローンを申し込むユーザーの立場からすれば、まさか自分が例外規定(但し書き)に該当するとは考えずに諸費用の試算をするでしょう。しかし、審査の結果によって異なる金額が提示されたとしても、なぜそうなったのかは(原則として)本人にも開示されることはありません。

どのようなケースだったら保証料が高くなるのか、あるいは実際にいくらの保証料が適用されるのかなどがはっきりしなければ、綿密な資金計画を練ることもできないことになります。

保証料について一律の規定額が明確にされている金融機関はよいとしても、ブラックボックス化された審査基準による結果次第で金額が異なるところは困りものでしょう。最低額から最高額までかなりの幅をもたせて提示している金融機関もあります。

保証料以外にも「審査の結果によって違う」項目があれば、住宅ローンの借り入れに伴う諸費用について、ある程度のプラスアルファを考えておかなければなりません。


住宅ローン保証料の違いがどの程度の金利に相当するのか…次ページへ

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