置き畳を選ぶポイント/その1【厚さ】
ガイド:置き畳には厚みが違うものがあるみたいですが。内藤:そうです。15mm前後~50mm前後まで幅があるんですよ。置き畳に限らず一般の畳もそうです。畳は畳表と畳床からできていますが、畳床の厚さによって畳の厚さも替わってきます。
ガイド:あまり薄いものは踏み心地が悪いとか。
内藤:厚いものから比べると多少は劣りますが、メーカーでも畳床に工夫をしていて薄くても踏み心地のよいようにしています。
ガイド:それでは、厚さによってどのように使い分けをしたらいいのでしょう。
内藤:厚さのある置き畳は、どっしりとした存在感がありますから本格的な和室に近い雰囲気を求める方に向いていますね。反対に薄い畳は、軽い雰囲気で洋室の一角に置いても違和感なく馴染みますね。また、出す・しまうといった扱いも楽ですから、季節やシーンに応じて使い分ける場合等にお勧めです。
縁のある畳は、和風らしい雰囲気を出すのには○。 左:厚さが50mmある置き畳。どっしりとした安定感が和室らしい雰囲気に。 右:厚さは15mmの置き畳。軽い印象ですが、フレームをつけて和のスペースを印象づけている。 |
置き畳を選ぶポイント/その2【畳表】
畳表は目のしっかりと詰まって均一のものを。傷のあるイ草は避けられ、長くて丈夫なイ草を選別してから畳表に織り上げる。 |
内藤:畳表は人や物に触れる部分なので丈夫なものを選んで欲しいですね。丈夫で長いイ草を使った畳表は目が均一で目の詰まった織になってきます。
ガイド:丈夫なイ草というと?
内藤:有機肥料で育てたものは丈夫で長いイ草になりますね。細くて短いイ草の場合は、継ぎ足して使います。何本かを継ぎ足しているものは、目を見ると少し乱れますので分かります。その分、耐久性も低いです。色の悪いイ草を使うと、色が均一でなく縞のようなものが入るのですぐに分かりますよ。
ガイド:そうなんですか。畳表も良し悪しがあるんですね。
気になるダニ&カビ
ガイド:畳には、ダニやカビの心配がありますが。内藤:やはり掃除はしてほしいですね。食べこぼしとか人のフケなどがそのままだとダニが発生しますので、ホウキで掃きだすか掃除機で吸い取りをしてください。
また、ダニやカビは湿気が問題ですよね。畳は吸放湿性があるのは先にお話しましたが、気密性の高い住宅では、湿気を吸ったり吐いたりできず、室内に湿気がこもりやすいのです。ですから、ダニやカビを防ぐには、通風を十分にとって、天気の良い日には陰干しをするのもお勧めです。特に新しい畳は湿気を吸収する力が大きいので、注意をするといいですね。
ガイド:置き畳なら、持ち運びも楽ですから、陰干しもこまめに出来ますね。あと、水物をこぼしたときはどうするのですか?
内藤:イ草の表面には固い皮があり水分はすぐには浸透しないんですよ。だから、うっかりお醤油とかをこぼしたときには、早く固く絞った雑巾で拭き取ってしまえば大丈夫です。
ガイド:はい、分かりました。
次ページではいろいろな置き畳をご紹介しましょう。