「コーポラティブハウスはビジネスにならない」の
常識をくつがえした都市デザインシステム



東急大井町線の上野毛駅から多摩川方向へ坂を下っていくと、その途中にSETA HAUSはありました。石造りを思わせる白いタイル貼りのおしゃれな外観は、一目でそれが建築家の手の入った建築物だとわかります。

室内を見せていただいた小池さん(仮名)は、なんと分譲マンションを販売している大手ディベロッパーの社員。どうしてコーポラティブハウスにしたんですかの問いに、小池さんは答えて言います。
「やはり自分自身の趣味やスタイルってあるじゃないですか。それに合わせた家が欲しかった。一戸建てだと実現しやすいとは思っていたのですが、とくに一戸建てに限らず集合住宅をふくめて検討していました。そうしたらコーポラティブハウスの物件が瀬田に出ると聞き、土地を見たらすごくいい。それでさっそく会員登録をして、即契約することにしました」

部屋を見せてもらうと、コンクリートの打ち放しに、トップライトのあるリビングの 吹き抜け、この吹き抜けに面した上階のベッドルーム、大きな開口部を持つワークルー ム(予備室)と、ハイテックで都会的なメゾネットの居室になっていました。

キッチンを食器棚兼衝立の向こう側に配し、衝立をスクリーンがわりにして簡易シアターをつくるなど、遊び心もいっぱいです。さらに、床材や特注のサッシ、ガラスのテーブ ルやイタリア製のファニチャー類と、素材&インテリアへのこだわりぶりもかなりの もの。たしかに一見して分譲マンションのありきたりなパターンとは大きく違う。そ れは一戸建ての感覚といってもいいでしょう。

設計を担当した都市デザインシステム設計部の寶田陵さんは言います。
「各戸、みなさんのニーズやスタイルに合わせて設計していきます。小池さんのお部 屋は、このリビングの上の吹き抜けと、そこにできる大きな壁が特徴ですが、これを 実現するために一番端の2-3階を取得されました。室内の間取りもインテリアも基 本的に自由ですから、住民のみなさんはまったくテイストの違うお部屋に、それぞれ 暮らしておられますよ。ただ、水廻りの位置については、上下階でお互いに生活音が気になったりすることがあるので、上下に近接する住戸は同じ設計者が担当して調整しますけどね」
そうした調整は必要とはいうものの、同じ設計者が担当した住戸においても、それぞれの入居者のライフスタイルに合わせた自由設計を行うため、室内デザインはまるで違うものになるそうです。