寝室+バスルームとの結界
中3階から先は階段室をわたるブリッジになっていて、ここからはプライベートな空間。2.4m上がった先にはバスルーム&アスレチックルーム、そして寝室があります。
アスレチックで汗を流したあとはそのままお風呂へ
寝室は壁面がわりにはめこまれたガラスと引き戸により、連続するワンルーム空間のこの家で唯一“籠もれる”場所になっています。
しかしながらバスルームのほうは、まったくの開放空間。防水加工のカーテンで仕切られたのみのバスタブがアスレチック用具の置かれた部屋にぽんと置かれたという感じ。だけど毎日10分の運動をしてからひとっ風呂浴びるのを日課と決めていてもなかなか実行できないことを考えると、お風呂のすぐ外にジムがあるというのは理想的かもしれません。
梯子を使って屋上に出られる
さらに3階には一辺2.2mのトップライトがあり、自然との一体感を楽しめる空間にもなっています。トップライトを開放すれば、露天風呂感覚も味わえるわけですね。
さらにさらに、この上には屋上庭園が…。都心にあって緑を育てる楽しみと断熱・結露防止効果、そしてご主人の唯一のペットであるリクガメの「へるへる」ちゃんが日光浴できる場所として加藤さんたちの生活をおおいに豊かにしているといっていいでしょう。
加藤さんは言います。
「子どもができたらどうするのとか言われますけど、子育てに本当に手がかかるのは2~3年のことだと思うんですよ。学校に上がればアパートを借りてそこを勉強部屋にすればいい。そんな切り捨ての発想が都心の家づくりには必要だということが要望書を書いていてわかりました。けっきょく自分が家にいて一番楽しめる時間は何かを突き詰めていった結果がこの家というわけです。その意味では満足度120%といっていいですね」
そして、建築家の桑山さんのこんな言葉も今回深く印象に残りました。
「建築家にとって、理解ある建て主とめぐり会い、よいコラボレーションができるのは何よりうれしいこと。しかしそのためには、何を捨て何を家づくりのテーマとするかという過程がどうしても必要ですよね。これからはそうした明確なテーマを持った建て主さんが若い世代を中心にどんどん増えてくるものと期待しています」
■設計・監理:綜・環境計画研究所(桑山学)
http://www2.famille.ne.jp/~sokankyo/index.htm
■構造設計 :三城設計(三城繁伸)
■設備設計 :和設備設計事務所
■施 工 :大栄工業株式会社
●敷地面積 :50.02m2
●建築面積 :37.34m2
●建ぺい率 :75%/280%
●延床面積 :140.14m2
●構 造 :RC壁式構造、地下1階・地上3階建て