母乳マッサージを含めた母乳育児支援は有用
頻回授乳で母乳がでるようになる
かつては、産後に疲れ切った母さんには、当日は充分に休養を取ってもらい、翌日、助産師が乳房マッサージや乳管開通手技を施し、乳汁分泌を確認してから、授乳を開始するという習慣があって、赤ちゃんに直接吸ってもらう事の重要性が、今ほど認識されていなかったのです。
ただし、日本では母乳育児支援を含めてマッサージと称している面があり、熟練した助産師による、適切なマッサージを含めた支援は有用です。母乳育児の専門家の中にも、桶谷式などは過去の手技だと考えている方がいますが、これは間違った認識です。
桶谷式母乳育児相談室
マッサージの方法には、自己マッサージ法も含め、いろいろな名称がついていますが、最も有名な桶谷式を紹介します。詳しい話を聞きたい方は、近くの母乳育児相談室を訪れてみるのも良いと思います。桶谷式乳房管理法研鑽会のホームページから全国の相談室に進むと、母乳育児相談室の一覧が載っています。
桶谷式乳房管理法研鑽会と少し難しい名前が示すように、一人一人の助産師が、現在進行形で研鑽を続けている、乳房育児支援のための熟練者集団です。ですから、桶谷式の本を調べても、母乳がよく出るようになるための簡単なマッサージ方法などは記載されていません。
ほとんどのお母さんは、赤ちゃんに頻回に吸わせてあげるだけで充分なので、マッサージの必要ありませんが、もし乳房のマッサージをしてもらいたいと思われる方、母乳育児について確かなアドバイスが欲しいとお考えの方でしたら、一人一人のそばで、ゆっくりお話をしながら乳房マッサージ手技を施してくれる桶谷式の熟練した助産師さんは頼りになります。乳房トラブルだけでなくて、産後に少しブルーになっている方なども熟練助産師のタッチ・カウンセリングに、助けられたと感じる人もいます。
桶谷式の母乳育児支援は、母乳育児に悩んでいる方、トラブルを抱えた方には力強い味方になります。
乳房マッサージの費用は、初回が3千円から8千円、次回から千円から5千円と地域で違うようです。マッサージ手技料というよりも、時間をかけてマッサージをしながら、お話を聞いて、アドバイスや相談したり、という全体にかかる費用です。「お乳のしこりが取れた」、「落ち込んでいた気持ちがすっきりした」、「値段が高く、イマイチだった」など、感想はマチマチです。
一部の本に紹介されているような自己マッサージ法で解決する方もいますが、次第に悪化して、重症の乳腺炎になる方もいます。自己判断は一歩間違えると、重症化への道を歩むことになります。