「住宅ローン破綻」、嫌な言葉ですね。できれば関わりたくないし、自分には関係ない、そう思っていませんか。実は意外にも、ごくごく普通の身近なタイプが住宅ローン破綻に遭遇しているのです。住宅ローン破綻の直接的な原因は皆それぞれですが、共通点がひとつあります。それは「予測の甘さ」です。

もちろん、日々目まぐるしく動く世の中ですから、想定外のことが起こります。それでも、住宅ローン破綻者の原因をみてみると「子どもの教育費や部活のお金が負担となって」「子どもができて妻が仕事を辞めたから」「趣味の海外旅行の回数がどうしても減らせなくて」など、原因を作り出しているのは自分たち。しかも、あらかじめ想定できる内容がほとんどです。

住宅ローン破綻を防ぐには、「家計の変動リスク」と「金利の変動リスク」の二つの変動リスクに備える必要があります。みていきましょう。

最悪のシナリオを描いて借入額を決めること

先にご紹介した例にもあるように、住宅ローン破綻の原因の多くは家計支出の増加です。家計支出の変動に備えるには、住宅ローンの借入時に「子どもが二人とも私立理系に進学した場合」「共働きをする予定であった妻が結婚後すぐに専業主婦になった場合」など、家計支出の最悪のシナリオを描き、それでも家計が赤字にならない住宅ローン返済可能額と住宅ローンの借入額を試算することです。

そうすれば、教育費の増加は毎月3万円までは大丈夫、いざとなれば使う目的のないあの定期預金を崩せば3年分は補填できる、など、余裕も戦略も生まれてきます。

金利の変動リスクは、試算と戦略で防衛する

金利の変動リスクに備えるには、金利を固定してしまうのが一番です。そう、当初から固定金利の住宅ローンを選択すれば安心です。ところが、皆が皆固定金利の住宅ローンを利用しているわけではありません。なぜでしょうか。

それは、金利の低さです。変動金利は一般的に固定金利よりも低く設定される傾向にあるため、固定金利を選びたいが変動金利の低さに惹かれて選択する方も多いのです。

ですが、変動金利は動きます。この金利変動のリスクに備えるには、試算あるのみです。5年後に金利が2%上昇したら、毎月返済額は3万円増加する、3%上昇したら5万円の増加だ、などと想定できる限りの悪い数字を予測し試算しておきます。

そうすれば、「3%上昇したら、とてもじゃないけれど払えない」など自分の基準が見えてきます。基準が見えれば、変動からの借換先の住宅ローンが○%になるまでに借換にチャレンジしよう、など次なる展開と戦略が見えてきます。

住宅ローン破綻を防ぐためには、家計を把握し、当初から最悪のシナリオを描いておくこと。その将来のシナリオを基に、住宅ローンの借入額を決めると住宅ローン破綻の確率が減ります。くれぐれも順番を間違えて、試算前に借入額を決めてしまわないようご注意ください。
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