オブジェのある中庭を中心に
渡辺康さん(渡辺康建築研究所)が設計した代々木上原のデザイナーズマンション「SILHOUTTE」を見学しました。シンプルなI字型のユニットと、正方形に近いスペースを引き戸で区切って自由に使うユニットを組み合わせた、多彩なデザインの集合住宅です。
ここは代々木上原と東北沢のちょうど真ん中あたりですが、まわりが密集した北斜面の住宅地で坂の下にあるため、眺望・採光が望めません。そこで、渡辺さんは建物中央にオープンスペースを設け、内に開く形で光を取り込むことにされたようです。
このオープンスペースには、ゴロ太石の上にフロストガラスのオブジェ(目隠し用)が並べられ、なかなかアートな空間になっています。そして各フロアは、この中庭を中心に右手にI字型のユニット、左手が正方形のユニット2つという組み合わせになっていました。
中庭に面した103号は、シンプルなI字型の部屋。一番奥に出っ張りの形でバスルームがあります。中庭に面して大きく開口部が取ってあるため意外に明るい感じですが、残念ながら陽光が直接入ることはありません。住宅としてよりも小事務所やギャラリーとして使えば最高という感じでしょうか。
中庭を挟んで向かい合う形の102号は、正方形の部屋。田の字型に切ったレール上に不透明なスクリーンの引き戸が付けられていて、4つのスペースに区切れるようになっています。キッチンとバスルームはこの一角を使う形で、残りがリビングと寝室ということですね。
もちろん使い方は自由。引き戸でベッドだけを隠して、残りをすべてリビングに使うことも可能です。