収納力バツグン、敷地いっぱいの地下室
2つの吹き抜けを持つ「和」の空間
ここでは白いペンキを塗ってサッと拭き取った杉板が柱や梁として使われ、それが白い珪藻土の壁とよく調和して在来工法のよさをしっかりアピールしています。こうしたシンプルな木造建築もいいものですよね。高さ5.2メートルの吹き抜けや、ハイサイドライトから射し込む光は、多分にモダンな空気を振りまいているのですが、どこかにホッと一息つきたくなる「和」の感覚が息づいています。
キッチンが一部壁で仕切られているのもよかった。しっかり4.5畳のスペースを取ったキッチンは、この大リビングに取り込まれてしまわない独立した一個の空間として生きているように思います。
家族が憩う好ましい生活空間
そしてこのキッチン+ダイニングの上にはロフトが…。ロフトはリビングと階段室にある2つの吹き抜けの間に浮かぶような形であるわけですが、このスペースの存在が室内全体の重要なアクセントとして機能しているのはいうまでもありません。ここは寝室として使うもよし、将来的に子ども部屋として使うのもいいですよね。
また、ここから眺める白い天井や下のリビングの風景もなかなか美しい!
家族が憩う好ましい生活空間というのはこういうシンプルな姿をしているような気がします。16坪の敷地にあるとは思えないほどのシンプルさと、それが生み出す広さ。それは、最初に見た半地下の巨大収納室が可能にしたからにほかなりません。建築家と住宅プロデューサーが都心の狭小地に対して出した答えはまさにそこにあったということでしょう。
■設計施工:teamhappy
■プロデュース:朝妻義征/ベースメント
●敷地面積:51.38m2(15.54坪)
●延床面積:76.95m2(23.28坪)
●構 造 :木造2階建て+ロフト
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