木のバーコードに囲まれて
木のストライプで囲まれた天井高が約3mもある居間。正面は台所、右は庭へ通じる引き戸。左上は本棚の部屋。 写真提供:伊藤寛アトリエ |
外観はシンプルな箱に見えますが、中に入るなりその印象は見事に裏切られます。木の柵から前庭を抜け、庇の下に入り木製の枠のガラス戸を開けると、土間があります。正面には杉板の壁と、同じ仕上げの天井が目に飛び込んできます。まるでバーコードのような模様は、鋸目を残した細幅の杉板の木目をうまく生かして張っているからです。この仕上げは、木材を平らに張りつける方法のひとつで、「本実(ほんざね)張り」とのこと。木枠の木口部分を切り放しにした大きな開口部が、家の中にいくつもある伸びやかな大空間です。ここが家の中心になります。
◆建築家プロフィールと建築データ